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ドイツおまえもか、ドイツ国債1/3「札割れ」、NYダウ236ドル安(学校で教えてくれない経済学)

2011-11-24 10:29:57 | 経済学
引き潮のとき砂浜に出て岩場を見ていると逃げ遅れた小魚などが慌てる光景に出合うが、いまヨーロッパの金融市場で起こっている姿と重なって見える。満ち潮の時には全く気付かなかったことが、引き潮になると状況は一変する。昨夜、NHKテレビ、ETVをたまたま見た。今回のギリシャに始まった欧州金融危機に乗じて、しこたま儲けたヘッジファンド経営者ルイ・ギャルゴア氏の一挙手一投足を追った番組は迫力があった。

悲しかったのは先のギャルゴア氏と交互に画面に出てきた大阪のさる年金運用責任者である。年初めにマイナス2%だった年金の運用成績が8月にはマイナス12%まで悪化した。顧問料を払っておそらく相談に乗ってもらっているのであろう、画面にさるコンサルタント会社の担当者が現れて、当初の見込みをはるか上回るテンポと幅でヨーロッパ状況が悪化したと素直に認め、今後についても楽観できないと語る様子を写していた。

23日、NY株式市場は、ドイツ10年物国債が、予定の6,200億ユーロに対して4,000億ユーロにとどまる,俗に言う「札割れ」を起こしたことを嫌気して、取引開始早々から売られ、NYダウは前日比236ドル安,11,257ドルで取引を終了した。「ワールドWaveMorning」(経済情報)に出演した米国みずほ証券、大宮弘幸氏は「ドイツ国債販売が予定を下回ったことでヨーロッパ信用不安が再燃した。イタリア国債の利回りが6.9%台へ再び上昇、スペイン、フランス国債の利回りが高止まりした。NY外国為替市場でも、ドイツ国債入札結果を材料にユーロが対ドル、対円ともに売られた。1ユーロ=103.17ドルで取引された。リスク回避の動きから資金のドルシフトが進み、1ドル=77.30円へ対円でもドルが買われた」などと解説していた。

24日朝放送の米ブル―ムバーグに出演した米投資会社、Tanious氏は「ドイツ国債は今までは安全と見られていた。10年物ドイツ国債が2/3しか売れなかった。安全な避難場所がなくなった。エネルギー、金融、ハイテク全てが売られた」などと解説していた。画面を見ながら、昨晩、NHKの番組に出ていたヘッジファンド、ギャルゴア氏の顔が浮かんだ。ドイツの国債の利回りは2%と最も低い。最も高い利回りのギリシャを早々に売り逃げ、7%を突破したところでイタリヤ国債を売り逃げ、3.5%台のフランス国債を通り越して、まさかと思うが、一番利回りの低いドイツ国債に一転して触手を伸ばしたのかもしれない。

フランスF2は、EUバロード委員長がユーロ共通債導入を強く訴えた。しかし、ドイツ、メルケル首相が、声を荒げて反対する様子を画面に写していた。ユーロ共通債が導入されると平均3.5%程度に利回りが低下する。ギリシャ、スペイン、イタリアなどの高利回り国債は得をする。フランスは平均並み、ドイツの損が最も大きい。23日のドイツ国債売れ残りは、この日のバロードEU発言を聞いて、自然発生的に、ドイツ国債買いの流れにエンジン・ブレーキがかかったのかもしれない。

その他の「ワールドWaveMorning」二ユースでは、ドイツZDFが「ドイツで異常乾燥が続き、運河が水枯れを起こし観光含め水運にも影響がでている。木が枯れ、森林にも影響が出てきた。一方、イタリア南部は洪水被害が出ている」などと紹介していた。水害の話では、タイUH9がバンコク市内を守るためにせきとめられたため水が引かない地域の住民が堤防を破壊する行為に出た。ところが当局は双眼鏡で現場を眺めるだけで成すがままだ」と伝えていた。英BBCはエジプトでエスカレートするデモの様子と依然収まらないシリア情勢を伝えていた。

ユーロ共通債導入にドイツは反対している。ドイツはいずれ妥協を迫られるだろうとハゲタカは読んだ。ドイツ国債売れ残りは潮目の変化かもしれない。(了)

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