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米国の「財政の崖」は重要だが、日本が積み上げた976兆円の国の借金も無視できない

2012-11-13 09:57:18 | 経済学
(学校で教えてくれない経済学)



日本の今年7~9月期のGDPが前期比3.5%減少したことを受けて12日付けのCNBC電子版は日本経済の先行きについて悲観的なコメントを多数掲載していた。日本のエコノミストは、10~12月期もマイナスが続くと見るが、来年の1~3月期は、中国経済の底打ちが期待出来ると見ている。ところが、日本企業の経営トップは、中国経済の先行きを厳しく見ている。外国人エコノミストも同じ見方が多い。中国から益々目が離せなくなりそうだ。

CNBCのJeanChua記者は「中国政府は、10月の中国の輸出はプラス11.6% と発表した。これはクリスマス需要のためであり、一時的だ。季節要因を除けばマイナス2.3%である。」とあるエコノミストの分析を紹介していた。JeanChua記者は「米国の財政の崖、欧州危機、開発途上国の低成長など諸々の要因が背景にある。世界景気の目に見える形での回復には時間がかかる。」と書いていた。日本の経営者として、日立建機のある役員は「日立だけでない。キャタピラーもコマツも厳しい点では、同じ見方をしている。」と語った。コマツの経営者のひとりは「中国経済は金融緩和策だけでは回復しない。」と話したと書いていた。

一方、13日朝6時台放送のワ―ルドWaveMorningでドイツZDFは「ギリシャは債務の山を次々積み上げている、とEU,IMF,ECBトロイカギリシャ調査団が報告書を発表した。ドイツがギリシャを見捨てないと決めたのであれば、ドイツ議会に新たな問題を提供するだろう。」と解説していた。ZDFは「ポルトガル人は政府の緊縮政策はメルケルのせいだと怒りを顕わにしている。その一方で、ポルトガルでは仕事にありつけないと、ポルトガルを去る人が後を絶たない。」と伝え、ある看護師の話しを紹介した。ZDFは「ネオナチを支持する人間の割合が経済の悪化とともに中間層に浸透しつつある。旧東ドイツでは人口の15%が、極右、ネオナチを支持している」と解説していた。

今朝の英BBCは英BBC,ジョ―ジ・エントウィツスル会長辞任を伝え、英議会で同氏に退職金を払う、払わないで議論している様子を伝えていた。「何が言われていないか。」「誰が発言していないか。」カメロン首相は、この問題で、一切発言していないと解説していたところが面白かった。情報が氾濫している。むしろ、何が取り上げられていないかに、視点を置いてニュースを読む事の方が、表に出ている話を追いかけるより大切かもしれない。

12日、NYダウは前日比変わらずの12,815ドルで取引を終えた。米ブルームバーグ、MattMiller記者は「3億株満たない商いだった。財政の崖が影を落としている。」と解説した。商品市場は全面安で原油はバレル85.62ドル、小麦、大豆、トウモロコシいずれも下げた。NY金はオンス1,728ドルで取引された。NY外国為替市場では、1ドル=79.56円、1ユーロ=101円で取引された。5時45分放送の「モーニングサテライト」出演のシティ銀行尾河眞樹氏は「ギリシャ不安からユーロは売られ易い。」と話していた。米国の「財政の崖」問題は重要だが、日本が積み上げた976兆円の借金返済問題も無視できまい。(了)

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