ミニバラ
江嵜企画代表・Ken
日曜日、16日、お昼の神戸は、12月半ばにしては、めずらしく、ぽかぽか陽気に恵まれた。衆議院総選挙の投票を最寄りの投票所で済ました後、その足で、恒例の更地パトロ―ルへ出かけた。
このところ寒い日が続いていたこともあり花のスケッチをご無沙汰していた。花に誘われるように鉛筆を一気に走らせた。
「今日は猫ちゃん、いないね」、とお孫さんであろうか、2才か3歳かの坊やを連れた老婦人の声が聞えた。当方は野良猫に困っている。ところが、坊やにとっては、猫ちゃんを見るのが楽しみで、やってくるのだそうだ。老婦人は「お宅が飼っている猫だと思っていた。」と言葉を続けた。
とんでもない、と口から出かかった言葉に変えて、「毎日のように餌をばらまいていた人が、おやすみなのか、ここ数日、猫の餌の掃除の手間が省けて助かっている。賽の河原、我慢比べなんですよ。」と答えたら、妙に感心したように「我慢比べ?」と受けた後、一呼吸置いて「我慢比べなんですか?」と、繰り返しながら、お孫さん共に老婦人は、姿を消した。
スケッチしていると、以心伝心、花にも気持ちが伝わるのか、花が、元気になって来るように思えるから不思議だ。ミニバラは正月に向けて、これから開花本番であろう。多くの通りがかりの人の目を楽しませてくれれば、花も喜んでくれるに違いないと思う次第である。(了)