思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

いよいよ34年目の式根島!!こどもたちのキャンプ&ダイビング

2010-08-01 | 教育
さあ、いよいよ34年のこどもたちの式根島キャンプダイビングです。
2日の夜東京港を出発です。

誰もいない秘密のビーチで、いい思い出をたくさんつくり、いい写真もたくさん撮ってきますので、ご期待くださ~~い。

今年は女の子の方が多いのです。時代ですね(笑)。まとわりつかれて疲れそう~~。

では、また6日以降にお目にかかりましょう~~~。

みなさんもよい夏休みを!!


なお、2004年に書いたものを以下に貼り付けます。

キャンプ・ダイビングーほんものの教育 武田康弘

教育今年も真夏の炎天下、式根島の大浦キャンプ場―斜面地の美しい自然の中のキャンプ地に行ってきました。(数年前地震で渡航禁止になった年を除き)28年間連続の海辺でのキャンプです。手付かずの自然―ほとんど誰も来ない美しい岩礁地帯でのシュノーケリングと磯遊びは、何よりも深く楽しい遊び=学びです。夜は、雲かと見まがう天の川、微光星で全天が埋め尽くされる太古の星空です。

わたしは、そうとは意識せずに、こどものダイビング指導のパイオニアの役目を果たしてきました。1977年からのシュノーケルダイビングの模様は、1980年から10年間に渡って月間「マリンダイビング」誌上で紹介され、それがもとで、各地のスイミングスクールでのダイビング指導が始まったのです。
初体験の子どもも、すぐにスイスイとシュノーケラーになってしまいますが、実はわたしはいつもほとんど「教えない」のです。黙ってやらせておいて勘所をひとこと言うだけです。「マニュアル」!?があると妄想するような人たちには理解しがたいことでしょう。肝要なのは、目の前のこどもたち一人一人を見ることですが、どうも独りよがりな「観念」や意味のない「常識」に縛られて目の前の現実が見えない人が多いようです。

ダイビングの楽しみと安全のために必要なのは、紋切り型で単細胞の体育会系の人間とは正反対の思想・態度をもつことです。子供の心身から硬さが消える環境をつくることができれば、生き物として自然な注意力が自ずと働き始めます。自由でしなやかな心が何よりも安全を生むのです。

わたしは今年で52歳です。24歳のときに始めた「子どもたちのキャンプ&ダイビング」は、初めの頃、「武田先生、こんなこといつまで続けるの?」と言われたものです。
今まで、先天性の心臓病の子も、ひどい喘息持ちの子も、学校で一番の問題児といわれた子も参加しました。しかし28年間一人として発病した子、大きな問題を起こした子は出ていません。ガラスのかけらを踏んで足をけがした子、転んで足をすりむいた子はいましたが、大事に至った子はひとりもいません。

でも確かに、このキャンプ中の100時間、とくに美しい岩礁の海で自由に泳がせている時間=何よりも素晴らしい体験を子どもたちがしている時間、私の全感覚神経は、人間に可能な最高レベルにあるようです。笑いながら、ふざけながら、でも心身は120パーセント燃焼し続けています。帰ってから数日は、意識は「真っ白」です。
断言します。子どもの教育―人間を育てることは、全身全霊でなければできません。どんな生き物もそうです。子育ては命がけなのです。そういう緊張感を失ったとき、人間は終わってしまいます。政治も、芸術も、学問も、実業も、子育てー人間の教育という営みに比べれば、はるかに下に位置するものです。魂を育てること。心身と頭脳の全体を、全身を使って育てること。それ以上に価値のあることはありません。これは私の「意見」ではなく、人間の生の原理です。ついでに言えば、これはソクラテスの哲学の原理でもあります。


タケセンのパワーはすごい!とか、いつまでも変わらないですね、とよく言われますが、実は、私は幼いころから内臓が弱く20歳まで闘病生活をしていました。幼稚園児の時には肝臓病で40日間寝たきりになり、小学生の5年生~6年生の時には胃潰瘍で2年間苦しみました。中学2年生から20歳までは十二指腸潰瘍を患いました。自律神経失調症で、勉強も20分間くらい集中したら休みを入れないとすぐ胃が悪くなってしまうのです。11歳の時から10年近く「虎ノ門病院」の専門医の世話になりましたが、結局、20歳の時、家の近くの「鴎外図書館」で見つけた「導引術」の本を読み、自分流に心身の改造を始めたことで、ようやく長い間の闘病生活から解放されました。小中学生の時は、とても50歳までは生きられないだろうと思っていましたが、ありがたいことに50歳を過ぎても元気です。
 生まれつき病気がちであったとしても、他人のつまらない価値観などに惑わされず、よい考え、優れた考えを自分の中に育てていけば、人生は充実し、豊かなエロースはやってくるものだと思います。

 権威ぶったり、財力で人の上に立とうとしたり、肩書きで威張ったり、人を見下したりするいかがわしく、下劣で、生きる価値のない人間はまだまだ多いですが、これからの子どもたちには、本物のよさをもった人間になってもらいたいと、私はいつも念じていす。
財力や権力や学歴や肩書きや・・には頭を下げることなく、自分の中の善美を育て、それに従うことのできる価値ある意義深い人生を生き抜く力を育てたいと思っています。自由でエロース溢れる人間。よく思索し付和雷同しない人間。優しくて芯の強い人間。美しく愛らしく真っ直ぐな人間。そんな素敵な人間を私は育てたいのです。

 自然にとけこむ100時間、島での自炊―キャンプと自然のままの美しい海でのダイビングと降るような星空の下での宇宙の実感。とってもハードで、自由で、楽しいー言葉にはできない体験。「システム・マニュアル・情報」という世界とは対極にある全細胞で生きる時間。みんなを変えてくれるこのすばらしい底知れない自然には、ほんとうに深く感謝です。
(2004年8月8日)




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戦前の日本政府の恐怖の強権=洗脳政治(天皇は神!)の【事実】は、全国民が知らなければいけないのです。

2010-08-01 | 社会思想

詳しく書けばキリがなく、日記では無理ですが、第二次世界大戦で敗戦するまでの、わが日本の政治の実態は、恐ろしいものであり、多くの文化人(小説家や科学者や法律家や哲学者・・)は特別高等警察=特高に逮捕され、拷問を受け、殺されました。天皇への尊敬の念が足りないとされて職を奪われました。これらの「歴史的事実」は、体験者の方の証言が山ほどありますが、この天皇現人神(てんのうあらひとがみ)の恐怖政治の実態を、正しく伝え教えることは、現在と未来の日本人がよく生きるための必須条件です。

嘘や偽り、事実の隠ぺい、他の話にすり替えて誤魔化すことは、過去と未来への裏切りであり、道徳、倫理に反する所業であり、真面目に生きようとするすべての人間を冒涜するものです。イデオロギーや立場に囚われた嘘の言説はもうたくさんです。ほんとうにウンザリします。

まず、元兵士の方の証言を聞くべきです。「天皇現人神というイデオロギー」に染まらないふつうの人間的感覚をもつ人の話を聞くべきです。

また本は、『日本が「神の国」だった時代・国民学校の教科書を読む』入江 曜子 著(岩波新書 2001年12月刊 ¥740+ 税)は、やさしく読みやすいです。
詳しくは、『反日という呪縛』山中恒著(勁草書房 2008年11月刊 ¥3150は、とてもお勧めです。

わたしたちは、敗戦によって、ようやく【主権在民】を手にすることができました。

これは明治時代の初期からの『自由民権運動』(近代の世界最悪の政治家の一人といわれる山県有朋らによって徹底的に弾圧された)や、大正時代の吉野作造の『民本主義』や、暗い時代に個々人の個性を尊び自由教育を提唱した『白樺派』(日本最大の文化運動)や、思想統制の戦時下を耐えた民間文化人による憲法草案の作成(憲法研究会)・・・・

1945年、彼ら【反骨の日本人】の努力が、天皇主権の国体思想を掲げる【反民主的な日本政府】の崩壊により、ようやく実を結び、【主権在民を根本原理とし、自由・平等を基本理念とする民主政治】が誕生したのです。
1945年の敗戦は、特権者・支配者ではない大多数の日本人にとって【解放の時】だったのであり、市民革命にも似た効果をもちました。
われわれは、この人権思想に基づく民主政治をしっかりと現実のものにすべく、官僚支配を打ち破り、みなで考え対話し・みなで取り組み・みなで責任をもつ政治=「新しい公共」を粘り強く前に進めるべきだと思います。

それこそが、天皇主義=国体思想を学校教育で教え込まれ、戦争に駆り出された尊い命、戦争で犠牲になった命に報いるたった一つの道でしょう。戦争を肯定する『靖国神社』の思想ほど死者を愚弄するものはないのです。「良心」をもつ日本人は、人権と民主主義の思想を擁護します。死者の魂は、それを願っているのです。


武田康弘
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