昨日の「愉しい哲学の会」の写真です。
昨日は、
1925年に軍人の田中義一(ロシア革命への干渉=シベリア出兵を敢行し陸軍大将となる)が首相となり、わが国が軍国路線を走りだした後の複雑な政治状況を後追いしました。
田中は、過激な関東軍による張作霖爆殺事件(1928年)への不快感をもった天皇裕仁の意思により辞任させられますが(これは、わが国が立憲君主国ではなく、君主たる天皇の意思が現実政治を動かす天皇主権国であった証)、
その天皇裕仁の言動の大きなブレ
1931年の関東軍による満鉄爆破(柳条湖事件)に始まる満州事変に対して最初は懸念を示していた天皇の裕仁は、
翌32年には「関東軍に賜りたる勅語」を出し、「皇軍の威武を中外に宣揚」したとして統率に服さなかった関東軍を褒めたのです。
この詔書は、ラジオや新聞を通じて国民に広く伝えられた為に、全国民の意識は、一挙に戦争肯定へとなびいていきました。
☆資料は、『昭和天皇』(原題=『HIROHITO』)ハーバート・ビックス著・講談社刊・2001年ピュリッツァー賞受賞本の上巻202~203ページ。
この後の内容を書くと大変ですので、カットしますが、
全体の資料は、集英社版『日本の歴史』19です。また、同時代の海外からの目としてトロツキー著『破局に向かって突進する日本・1933年』(新潮社)を紹介しましたが、その慧眼には、誰しもが唸らされました。わたしが19歳の時に購読した書ですが、今読み返しても唖然とするほどの鋭さと深さです。
なお、1930年代以降の日本の雰囲気=【皇族】の意向がいかに大きなものであったか、は、当時を知る参加者の清水光子さんが少し語られました。清水光子さんは、お父さまの仕事の関係で当時のありようをリアルに記憶していますので、毎回、貴重な「思い出」が聞けます。
その他には、
長坂寿久(ながさか・としひさ)さんの『市民社会力』(2007年明石書店刊)を使い、ト―ビン税(通貨取引税)のメカニズムについて学びました。
また「この書の出版は「事件」でした。 アマゾン・レビュー『ともに公共哲学する』(東大出版会)」にも触れました。
さらに、日本の裁判は、なぜ「公正」ではないのでしょうか。司法官僚のための裁判。を読んで頂き、裁判とは何か?の本質論についてもお話しました。
また、インチキなマスコミ(笑・困)の一例として、この日と前日にNHKをはじめ、大新聞で大きく報道されたIMF(国際通貨基金)理事の発言「日本は至急に消費税を上げるべき」を取り上げました。IMFの構成員は、日本は財務省の官僚であり、副専務理事は、財務省官僚の退職者から選ばれているので、IMFの発言とは財務省の意見なのですが、それを、あたかも国際的な第三者機関の発言のように報道するマスコミは、官僚の集合意思と一体化した国民洗脳機関にすぎませんが、これは、上記の戦前の歴史とダブります。
また、現在の政治の混乱の最大の原因についてもお話しました。
キーワードは、「裏切り」です。政権交代の最大の功労者で民主党の代表を、検察庁の策謀におびえて「裏切った」ために、【新政権vs官僚主義】という闘いは雲散霧消してしまい、選挙を通しての無血革命は成就しませんでしたが、自立する市民が主役になるほんものの変革は、これからですよ=====。
武田康弘
☆写真は、会の終了後、愉悦感あふれる(笑)白樺同人の顔=表情です。