オーソドックスで正攻法の秋山さんの指揮は、品位が高く美しく、磐石の安定感がありますが、それが白熱の輝きを放つので、これは、「完璧な第九だ!」と言いたくなります。もちろん、完璧などないのですが。
オケの各奏者の自信に満ちた音は、もう、「日本のオケとしては云々」という言い方が意味を持たないことを証明していました。東響の品のよさはそのままに見事なまでの迫力で、感動です。
ただただ満足、深い充実。東響と秋山さんに感謝です。豊かな人間性=ヒューマニズムという言葉がピッタリです。
今年は、東響が日本のオケに革命を起こした年と言えるのではないでしょうか。4月から今日まで、ノットさんの指揮で6回、スダーンさんの指揮で1回、秋山さんの指揮で1回、計8回聴きましたが、すべて聴きごたえのある名演でビックリです。70周年と欧州ツァーは、素晴らしい果実をもたらしました。
感動の連続の1年、しめくくりに相応しい完璧な、と言いたくなる第九。明日行かれる方、楽しみにどうぞ。マイクが入っていたので、CD化されるものと思います。
アンコールは、「蛍の光」で、よい演出がされ、観客を含めてみなで歌いました。
武田康弘