人間は、精神こそすべて、でしょう。
しかし、その精神とは、戦前の日本でいわれた「ニッポン精神」でもなければ「大和魂」でもありません。
お国ために、とか、天皇陛下万歳という「国家宗教」の精神とは無縁の精神です。
「私の精神」であり、「一人の人間としての良心」です。国家主義とか日本主義というイデオロギーではありません。
伸び伸びと自由で、しなやかで、強い心身を生む精神です。
柔らかく、囚われがなく、飛翔する精神です。
私から始まる民主的で開かれた精神です。
奴隷根性とは無縁の自立する精神です。
安易さのない不退転の精神です。
他者承認に怯えない精神です。
豊かな悦びを生む精神です。
そういう心身を生むのが、ほんものの精神ではないでしょうか。
そういう意味で、人間は、精神こそすべてなのです。
武田康弘