思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

内容の充実ではなく形。生気に乏しい不幸な日本人は、NHK交響楽団が象徴していますね~~

2022-01-15 | 芸術

形優先。
失敗・ミスをしないで、演奏し、おわる。それで今日の仕事は無時終了。
NHK交響楽団の根本思想です。
だから、生気がなく、沸き上がる豊かさがなく、音符だけがある。技術だけの音楽。楽団員の魅力のない=表情。
みなつくりもので、精神の内奥は空洞。
これは世界最先端!(笑)で、まさに感情のないAI型人間によるAI型音楽
いつもいつもこういう人が奏するこういう音楽を流すNHKは、個性に乏しく型式・儀式に従う忖度人間になるように誘導する放送機関なのだな~~と毎度感心。
もうどうしようもない世界ですが、黙って聞く聴衆も、「はい、今日は教養の時間です。クラシック音楽を静かに聞きましょう」という意識=生き方の人たちなのでしょう。
見事ににっぽんです。感心します。ああ、日本!!

武田康弘


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なぜ日本人は私からはじまる生がないのか(2)世俗主義(その象徴が天皇制)が、輝きのない灰色の生をつくる。

2022-01-15 | 恋知(哲学)

先の記事からの続きです(クリックしてください)

 超越性の原理をもつ世界宗教は、世俗の価値を相対化して、これでよいのか、
を問います。世俗の利害損得や成功をそのまま肯定するのではなく、世俗価値を
超えた視点からの洗い直し・問い直しをし、複眼的な視点をもつことで精神の世
界をつくり、独自の見方=人生を可能とする役割を果たしますが、
 天皇教はあべこべで、世俗主義(仰々しい儀式だけで中身はその時々の世俗の
価値の肯定)ですから救われません。空気に合わせ、忖度す
る生き方しかない
です。みながそうだからわたしもそう(呆)。こういう集団
同調主義(天皇教の
別名)は、個人の内的なよろこび、輝きや色気を消し、灰色
の世界しかつくりま
せんので、結局は世俗の価値を追い求め、挫折する人生
(ごく一部はお金&肩書
に逃げる人生)を歩み続けるほかないのです。
【意味充実】の得られない堂々巡
で人生が終わります。


 自らの考え方・生き方を反省し批判検討して、新しい人生を創造するという実
存の生=恋知の生は、天皇教の生き方とは全く異なる「わたしが輝く人生」です
が、それについては、2013年に「恋知」第2章に書きましたので、ぜひ熟読
をお願いします。
宗教者の生とも世俗教者(=天皇教者)の生とも次元を異にす
る人間のほんとうの生き方です。超越的な真理を求める不毛性を知ることは、一
神教に陥らない条件ですし、元号を使わずに世界暦(ユリウス暦を少し修正した
グレゴリオ暦)を用い、皇族と呼ばれる人々を「さん」づけで呼ぶこと=対等性
を確保するのは、天皇教の呪縛から解放される条件です。

 疑似的な一神教である天皇教=世俗の価値に無批判に従う生き方ではなく、
キリスト教などの一神教の超越性の原理でもなく、私の存在の内奥にある善美の
座標軸を基にする恋知の生
は、信仰でも○○主義でもありませんから、誰にで

もできることで、少しも難しくありません。意識の二重性、自分の考えや行為を
見ているもう一つの私の意識の声を聞く練習=自問自答を基盤にして自由対話す
る生き方こそが、人間のもっとも優れた生き方と言えます。それは、特定の見方
や宗教に囚われていなければ、誰でもすぐ始められます。

 上位者からの要請でもなければ、立派な肩書をもつ人の上から目線(日本では
左右とも肩書人は皆そうです-程度が異なるだけ)のソフトな誘導でもなく、体
系的な強い思想(一神教や西欧哲学史のお勉強による)でもない。染脳‐占脳から
は最も遠くにありながら、決して揺らぐごとのない意味充実の私の人生を可能に
するのが、自分の具体的体験に基づき自分の頭で考えたことを交換
・交歓・交感し
合う恋知という実存の生です。それなくしては、人間の人間として
の生は成り立ち
ません。勝ち負けや利害損得を超えた「豊かな愛情明晰な理性
は生じないので
す。


 この恋知という発想と態度による実存の生こそが、優れて公共的な社会を生みま
す。国民国家(国籍にこだわり民族的共同体という幻想に依拠する)という狭隘な
思想から、公民国家(シチズンシップに基づく市民的共同体による)という開かれ
た思想への転換によるのです。公民国家=市民国家とは、わたしはこの国・社会を
つくる主体者だという能動的な意識により、あなたとわたしの意思とお金(税金)を
出し合ってつくるものです。主権者であるあなたとわたしを超えた存在はありません。
超越者や絶対者はいないのです。これがほんらいの民主制度であり民主政治であり
民主性の社会です。官とは、市民的公共に奉仕する組織であり、それと異なる言動は
できません。

このわたしの思想-論考は、恋知第3章『民主制・公共思想』に記しましたが、
これは、わたし武田
と金泰昌(※東大出版会のシリーズ『公共哲学』最高責任者)
と山脇直司東大教授および参議院調査室の荒井達夫によるパネルディスカッション
を載せた『立法と調査』
2008 年 2 月別冊号をご参照ください。

では、どのような社会・国をつくるのがよいか。その骨子は、以前にfbに載せていま
すので、ぜひご覧ください。

基本の考え
まず、首相のほかに【大統領】(日本の顔=元首で政治権力は持たない・ただし、首相の国会解散を拒否する権利をもつ)を選ぶ。
 ふさわしいのは学問・芸術に通じた品格の高い人-例えば石橋湛山(哲学者・経済学者・ジャーナリストで55代総理大臣)。※ 高野岩三郎(戦前に東大教授を辞して社会問題研究所所長・戦後に改組されたNHKの初代会長。庶民派にして高潔)。大原孫三郎(中国電力やクラレの創始者で白樺派の同伴者-心優しい博識の実業家)のような人。

 国旗は「日の丸」が候補。国歌は「さくら」(日本古謡)が候補。国花もさくらなので、ピッタリと思う。共に国民の自由な議論で決まります。「君が代」は、明治天皇に捧げられた皇族の歌なので(ゆえに皇族は歌いません)、主権者が国民に変わった現代には不似合いです。なお、歌詞は古今和歌集からで、天皇とは無関係です。

 元号は個人の趣向で自由に用い、役所や公共機関では、世界歴(ユリウス暦を修正したグレゴリオ暦)を使用する(今の元号の義務付けは不合理で間違いが生じやすいので。例えば、パブロ・ピカソ1881年~1973年、棟方志功 明治36年~昭和50年ではとても困りますし、時間が通年とならずブツ切れになるは不味いです)。

 天皇家は、ほんとうの住まいである京都御所に。江戸城は、江戸公園として国民みなに開放。

 天皇は、国事行為は行わず、文化的行為と国際交流を行い、基本的人権が保障される(いま天皇がしている国事行為は大統領が行う)。
簡単ですが、骨子です。この線で市民(=公民)憲法案も出さねば、です。基本となる1条から5条の骨子は、以下です。
  1. 1条 日本国の主権は、公民にある。

    2条 元首は大統領で、公民の直接選挙で選ばれる。大統領は国事行為を行う が、政治権力はもたない。ただし、首相の国会解散への拒否権をもつ。

    3条 皇室は、伝統と文化の象徴としての役割を担う。住居は京都御所とする。

    4条 戦争放棄 日本国は、武力の行使、武力による威嚇を行わない。専守防衛に徹する最低限の軍事力は持つが、いかなる理由でも海外への派兵は行わない。

    5条 人権の尊重 個人の思想と行為は、公共の福祉に反しないかぎり、最大限に尊重される。(個々の人権規定は現日本国憲法を踏襲し、さらに徹底させる。在日外国人の人権保障も加える)
📷
なお、日本の初代大統領としては、優しさと強さを併せ持つ人、明晰で品位の高い人、国際感覚に優れた人が適していますので、わたしは、官邸の圧力で降板させられるまではNHKの顔だった国谷裕子(くにや ひろこ)
さんを推します。

 なにはともあれ、オープンに共和制の意味や意義について語れる状況を生みだすことは、とてもよいこと、大事なことです。
 大きなタブーがあることは、ひどく不健康ですからね。
細かな話はともかく、みなが、明治維新政府によってつくられた水戸学に基づく「明治天皇制=国体思想=靖国思想=国家神道」の国家カルト的な精神風土から解放されて自由になることは、何より大切な「はじめの一歩」と思っています。
 集団同調主義(天皇教)でもなければドライな強権でもなく、水の国=日本にふさわしいしなやかで自由な共和主義って、いいでしょ~~~
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※ 高野岩三郎は、戦前、東大に経済学部を創設した人で、日本統計学のパイオニア。東大教授を辞し、白樺派の同伴者でもあった実業家・大原孫三郎の発案と出資でつくられた「大原社会問題研究所」の所長となり、最新の統計学を基に労働運動などの研究に取り組んだ。その陣容は東大や京大に匹敵し、研究内容は日本最高峰と評された。今年2019年は創設100周年にあたり、法政大学内に移されて存続している大原社会問題研究所では、記念行事を行っている。なお、「高野岩三郎伝」(岩波書店)は、必読文献。
彼はまた、敗戦後、民間人による憲法草案(憲法研究会による)の作成者の一人だが、それは、高野が鈴木安蔵に 「鈴木君、憲法の問題は政府にまかせては駄目だから、我々の手で運動を起こさねばならぬ、すぐに着手するように」 と言ったことによる。憲法研究会のこの草案は、GHQが「日本国憲法」草案をつくるときに参照した。ただし、高野自身は天皇制を残すことには強く反対して共和制への移行を主張し、草案とは別に「日本共和国憲法私案要綱」を出している。
戦後に改組されたNHKの初代会長も務め、放送の民主化に尽力した。
海外に開かれた港町の長崎に生まれ、自由な下町の神田で育った高野は、家父長制とは全く無縁で、根っからの共和主義者だった。理と情を併せ持ち、誰からも愛された反骨の人。



武田康弘

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