今日は、講義で、市立図書館で借りてきた『幇間』のビデオを少し観た。吉川英治の『松のや露八』への導入としてである。結構面白かった。近代文学の勉強のためには、伝統芸能の勉強が欠かせないが、こういうビデオは案外効き目があるものである。テキストはどんなにがんばっても現在の我々の頭で翻訳されてしまうので……
それにしても、比喩的な意味での、現代の幇間についてはまた別に論じなければならない。比喩的でなくても……、吉川英治は、なにやら旗本出身の幇間をドラマチックにセンチメンタルに描いたけれども、その実際はどうなのであろう。吉川英治はこのあと「宮本武蔵」に行ってしまうわけであるが、なぜ彼が「貧の意地」や「小暴君」の方向性に行かないのか、これは重大問題だと思う。そんなことを授業で語ろうとしてチャイムが鳴った……。
♪よく見たら
♪ひきがえる
♪あ~こりゃこりゃ