人生の裏側

人生は思われた通りでは無い。
人生の裏側の扉が開かれた時、貴方の知らない自分、世界が見えてくる・・・

生き神様現る!

2016-12-23 10:35:02 | 人生の教師
出口王仁三郎聖師は、しばしばキリストの再臨と目されていました。
今でも聖師を救世主、神の化身と観ている人も少なくないでしょう。
私はちょっと観方が違います。どちらかというと反キリスト!を映し出していたように感じています。
ちなみにベルジャーエフは、「反キリストは、地上に神の国を、社会的幸福を実現すると誘惑する」と述べ、それは我々を”見える”神の国へと駆り立て、キリストは”見えない”神の国の開示について説いたことと対比させているのです。
出口聖師の神の国実現に関する言辞、行動も悉く、こうした反キリスト的側面を表していたのではないでしょうか?…いや、聖師に限らず、こうした地上天国の実現の予言というもの自体、こうした思念と結びつくものなのでしょう。
聖師の正体は果たして悪魔の化身、反キリストなのか、大山師なのか?…それとも…

昭和初期、月の家なるペンネームで「東北日記」という全8刊もの、聖師一行の東北巡教のあらましを描いた、日記、随想、和歌などが入り混じった書物が大本・天声社から出ていました。(あいぜん出版から復刊)
これが実に貴重なのは、当時の新聞記者たちの感想が載っていることです。(記者…鳴く子も黙るジャーナリスト…今日もどこかで芸能タレントたちは、その存在に怯えていることでしょう…私はジャーナリストこそ歴史の証人であり、真のこの世の審判者である、と思っています。彼らはしかしその媒体を使って如何様にも情報を操作することも可能な、世界の真の黒幕でもあるのですが…)
大正十年の第一次大本教事件で、世間では大本を邪教視し、出口聖師をその首魁である山師、ペテン師といった風に見る向きも多かった一方、聖師の満蒙を股にかけての超人的冒険談なども伝わり、快男児、英雄視する向きもあるなど、”この男の正体は何なのか掴みかねる…”という印象に映っていたようです。それは何より、この新聞記者たちの書き出しの記事から伺われますが、皆一様に当初は”生き神様”などと揶揄しています。
そして、一体、どんなご託宣に預かれるのか、一言たりとも書き漏らさずになるものか、という意気込みなのですが、取り巻きの幹部の者たちの堅いガードにより、この”御本尊様”に容易に拝謁出来ない、という不満をもらしています。
大体の取材場所は大本教に関する講演会がもたれる会館などですが、”御本尊”はあいにく登壇なされず、ややこしい大本教義のことなどは”カタい”幹部たちに任せて、やっと現れた巨体漢…異様な風袋…どんな言葉が発せられるかと思いきや…
「お暑うおまんな…」
記者は完全に拍子抜けしてしまいました。そして全く気負いや飾りの無い、聖師の受け答えに接しているうち、記者の目に覆われていたベールも徐々にはがされていく様子が伝わってきます。
「これが数年前かく迄天下を騒がした大本教の本尊とはどうしても受け取れない、だがそれは我らの彼に臨む出発点が全然誤っていたことをやがて発見した」と、予め相手がどういう人間で、どういう事を聞いてやろうか、という胸算用も挫かれてしまった様子です。そして…ついにキリストか反キリストか…王仁師の人間的魅力に陥落してしまうのです。
「僕はますます彼の野生というか素朴というか…大自然を見るような偽らざる美にほれ込んでしまった…」
こう述べているのは、鳴く子も黙る、天下の審判人新聞記者なのです。やたらと人間を神格化したり、美化して語ったりする自派の信者でも、自派の正統性を脅かそうものなら、異端と決めつける他派の信者でも、ちょっと変わった言動をする者を差して、顛狂者と決めつける変態心理学者でもありません。余計な色を付ける事の出来ない、時代の証人の目に映った怪物出口王仁三郎とは…
ただの人間らしい人間だったのです!
そして又こんなことも書いています。「やたらと近侍だの何だのと昔の馬鹿殿様扱いは王仁さんの人間味、野に叫ぶ預言者の姿を小さくしてしまうものだ」
確かに冒頭で触れたように今でも私の目には出口聖師に反キリストの影を見ています。
少なくとも”見た目”には…だが、反キリストのその又影には見えないものも映し出されている、と感じています。つまりそこには、”二重写しの鏡”があるのです。
そして、ありのままに受ける印象は、やはりただの人間らしい、人間、というものです。

今も昔も人間王仁三郎師の周辺には、喧しい不思議事に捉われた声が後を絶ちません。
世の大立て替え、立て直しは何時か…
最後の審判の書、霊界物語の密意とは…
究極の神法とは…
一厘の仕組みとは…
聖師は天界でこう言っているでしょう…

”お熱うおまんな…”


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする