人生の裏側

人生は思われた通りでは無い。
人生の裏側の扉が開かれた時、貴方の知らない自分、世界が見えてくる・・・

ふるさとのない女

2016-12-29 17:50:33 | 映画・音楽など
私は ふるさとのない女
灰いろの 霞飛路の
雨に濡れながら
私のこころが 呼んでいる
ふるさとを ふるさとを

恋人よ
私はあなたを待っていた
あなたがそっと
私のこころに しのびいる夜を
あなたのもえるような くちづけを
ああ ただじっと ただじっと
切なく待っていた

恋人よ
私はあなたを待っていた
ふるさとに似た
あなたの匂いに 抱かれる夜を
あなたの髪の中で 眠る夜を
ああ 恋だけは 恋だけは
嘘をつかないで

「ふるさとのない女」
(岩谷時子作詞、團 伊玖磨作曲・編曲)

私は普段洋楽ばかり聴いているせいか、あまり歌詞に対する思い入れというのは有りません。
音楽、歌というのは、旋律が第一だと思いますが、両方良いに越したことはありません。
こんなにも両方で胸をしめ付けられる思いにさせられる曲はそうは無いです。という訳でここでは初めての邦楽の紹介。
歌手は、李香蘭こと山口淑子さん。二年ほど前に亡くなられましたね。
母がよく代表曲の「蘇州夜曲」などを歌っていて、古い映画を観た記憶もあります。
何十年か前、ワイドショー「3時のあなた」の司会でおなじみになりましたが、彼女の数奇な半生のことは全く知りませんでした。
中国生まれながらレッキとした日本人にも拘らず、昭和13年、満州で国策の一環として中国人歌手、女優としてデビューし、人気を博しますが、日中の国民感情が徐々に悪化していく中、祖国日本と生まれ育った母国中国の狭間に立たされ、言い知れぬ苦悩を味わったとのこと…
この曲は20年ほど前、ビデオで観た、主演映画「上海の女」(昭和52年東宝〉の挿入歌です。
この歌には彼女のその数奇な運命が反映されているのでしょう。
望郷の思いと恋しさ、愛おしさの思いとが実に分かち難く重なっていることが伝わってきます。

ふるさととは、理由なく恋しいもの…恋しいものは懐かしいもの…
たとえこの世に真実というものが見つからないとしても
無性に惹かれてやまない、という事以外に真実は無い
愛する人は裏切ることは有っても
何も信じられなくなったとしても
この湧き上がる、胸に募る思いは嘘をつかない
愛は裏切らない…



コメント
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