乙女なる神ソフィアの箴言

我は乙女なる神ソフィア
我の良しとすることは赤き心、偽りなき心、覆いなき心...
そなたは我が前に如何なる隠し事も成し得ない
如何なる遮るものも置くことが出来ない
我はそなたゆえにそなたを愛す
そなたは我ゆえに我を愛す...違いはあるまいな...
我は乙女なる神、ねたむ神...
このねたみの何と狂おしいことよ...
そなたはあだし神の託宣に惑われてはおるまいな...
"善き行いを為し、道徳厚くなければならない"
"思慮深く、思弁を巡らし、真理にさとくあらねばならない"
"日夜たゆまぬ研鑽、行に勤めねばならない"
そなたは赤き心を道徳、思弁、慣習に変えてしまうという愚は犯すまい
しかし、我はなお、そなたに申し置きたいことがある
あだし神の惑わしは巧妙だ
"他の神、他の信仰に従ってはならない"
赤き心を信仰に変えてはおるまいな...
我と取り引きしようとでもいうのか...
忌まわしき偶像崇拝...姦淫...
我はそなたと顔と顔を付き合わして向き合うのだ
信じることなど何故必要なのか
信じることは疑いのしるし
真でない異なる神に心を奪われることはあってはなるまい
否、他の如何なるものにも心を向けることは出来ない
我の他何ものも見てはならない
それは出来ないこと
出来ることとすること、他に別の何かがあるものとすること
そこに罪がはびこる
さすれば、我はそなたから顔をそむけたい
罪あるところ、光は差すことが無い
死滅あるのみ...
我の他に神は無い
我をおいて救いは無いものぞ
我ゆえの愛...これが我が最大の戒め...
ああ...この狂おしい思い
我がそなたになり、そなたが我になり、
我がそなたの中に、そなたが我の中にあるまで
やむことはあるまい...