簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

バリ島旅行記 キンタマーニ高原

2009-10-02 | Weblog
11世紀頃のヒンドゥー遺跡 ゴア・ガジャの見学を終え、再び車に乗った。
車を降りて、歩くたびに汗をかき、しきりにハンカチで拭っているものだから、現地ガイドが
「暑いですか?」と聞いてくる。
そのたびに「暑い!」と答えていた。
ガイドは、「今はそんなに暑くない」とは言っているが、暑がりの私にはこの湿気の多さに
閉口していた。
車のエアコンが効き始めるとホッとする。

「高原は、私たちには寒いところ」ガイドが首を竦めながら言った。
標高が1500mを超すと言われているから昼間でも涼しいらしい。
そんな涼しいところなら大歓迎。次は、そのキンタマーニ高原を目指した。

 【写真:キンタマーニ高原へ】

バリ島は東西に長い島である。
州都のデンパサールから、島を縦断するように北に登ると、バリで最も知られた景勝地、
キンタマーニ高原が有る。

緑濃い田園地帯を過ぎ、道の両側のお店が途切れてくるとやがて道は上りにかかる。
暫くすると突然大粒な雨が落ちてきた。
道の先には真っ黒な雲が低く垂れ込めて行く手を阻んでいるかのように見える。
「高原も雨かも・・」ガイドがこぼした。
雨が降って視界が悪いと折角の絶景が見られないと心配しているのだ。
登るにつれ雨は益々激しさを増していた。

「もう直ぐ×××に着く。(多分お店の名前を言ったと思うがよく聞き取れなかった)そこで昼食だ」
ゴア・ガジャから40分余り走っていた。
本道を外れ、その駐車場に滑り込んだ瞬間、不思議なくらいタイミングを合わせたように雨が止んだ。
雲がすごい勢いで流れている。
車を降りるとひんやりとした冷気が心地よい。

物売りが群がってきた。
Tシャツやブレスレット、ネックレスなどを下げて「いらないか?」と纏わり付いて来る。
「いらない」と振り払い、建物の前の10段ほどの階段を上ると展望台が有った。
アメリカ人らしい女性のグループが記念撮影に余念が無く、暫く下で空くのを待つ。





素晴らしい景観が迎えてくれた。
雲が切れ、正面にバトゥール山がくっきりと見える。
山は、長い裾野を引いてその先をバトゥール湖に落としていた。
溶岩の流れた跡が刷毛で引いたように黒くくっきりと見える。
先ほどまで雨を降らした雲は、切れ切れになって流れ、隙間からは青空さえも見えてきた。
雨に洗われた緑が生き返ったかのように鮮やかに輝いていた。(続)

 【写真:キンタマーニ高原】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする