暫くこの絶景に見とれ、写真の撮影に夢中になっていた。
時計を見るともう30分ほどしか時間が無い。
急いで昼食に向う。

この絶景を見下ろすレストランでの昼食は“インドネシア料理のバイキング”だ。
このインドネシア料理を楽しみにしていた。
と言っても雑誌で見て知っただけでは有るが、インドネシア風チャーハン・ナシゴレンや
具沢山のミーゴレン、串焼きのサテなどは是非食べて見たい。
直ぐ横のテーブルに、見なれた顔の日本女性が二人、既に食事をしていた。
この二人とは、バロンダンスの会場でも、買い物をしたアジアン雑貨の店でも、その先の
銀細工のお店でも顔を合わせていた。
乗り廻る車こそ違うが、どうやら同じオプションツアーと言う事らしい。

料理には名前が付けられ、簡単な説明がされているが殆ど覚えられなかった。
やはり異国の料理はどこか違う、と言う事は食べて解る。
口に合わないわけではないので、全て食べてやろうと少しずつ皿に取り、何回も席を立った。
中央に設けられた料理テーブルの前で、例の二人連れの日本人女性と一緒になった。
先方も我々と同一行程を意識していたのか、お互い軽く会釈を交わす。
と、そのとき一人の女性が「アレッ」と言って固まった。
「何?」ともう一人の女性が指先を見た。
後ろに付いていた私もつられて料理テーブルの足元を覗き込んだ。
何か小動物の頭が覗いている。
何だろうと思った瞬間、その小動物が正体を現し、突然反対側のテーブルの下に駆け込んだ。
と、その直ぐ後を追うようにもう一匹同じ小動物が駆け込んだ。
「ネズミ・・・・」と言ったまま女性は絶句した。
嫌なものを見てしまった。
折角今まで「美味しい、美味しい」と箸をすすめていたのに・・・。
すっかり食欲が萎えてしまった。
コーヒーとデザートに取り替えて席に戻った。
【写真:キンタマーニ高原にて】
まだ美味しそうに食事をしている家人に、今見た光景を話そうか、話すまいか逡巡した。
「もうデザート?」
と言う妻に、「ああ、もう充分・・・」
と生返事を返した。
ネズミの話は車に乗ってからさりげなくして見よう・・とそのとき思った。(続)
時計を見るともう30分ほどしか時間が無い。
急いで昼食に向う。

この絶景を見下ろすレストランでの昼食は“インドネシア料理のバイキング”だ。
このインドネシア料理を楽しみにしていた。
と言っても雑誌で見て知っただけでは有るが、インドネシア風チャーハン・ナシゴレンや
具沢山のミーゴレン、串焼きのサテなどは是非食べて見たい。
直ぐ横のテーブルに、見なれた顔の日本女性が二人、既に食事をしていた。
この二人とは、バロンダンスの会場でも、買い物をしたアジアン雑貨の店でも、その先の
銀細工のお店でも顔を合わせていた。
乗り廻る車こそ違うが、どうやら同じオプションツアーと言う事らしい。

料理には名前が付けられ、簡単な説明がされているが殆ど覚えられなかった。
やはり異国の料理はどこか違う、と言う事は食べて解る。
口に合わないわけではないので、全て食べてやろうと少しずつ皿に取り、何回も席を立った。
中央に設けられた料理テーブルの前で、例の二人連れの日本人女性と一緒になった。
先方も我々と同一行程を意識していたのか、お互い軽く会釈を交わす。
と、そのとき一人の女性が「アレッ」と言って固まった。
「何?」ともう一人の女性が指先を見た。
後ろに付いていた私もつられて料理テーブルの足元を覗き込んだ。
何か小動物の頭が覗いている。
何だろうと思った瞬間、その小動物が正体を現し、突然反対側のテーブルの下に駆け込んだ。
と、その直ぐ後を追うようにもう一匹同じ小動物が駆け込んだ。
「ネズミ・・・・」と言ったまま女性は絶句した。
嫌なものを見てしまった。
折角今まで「美味しい、美味しい」と箸をすすめていたのに・・・。
すっかり食欲が萎えてしまった。
コーヒーとデザートに取り替えて席に戻った。

まだ美味しそうに食事をしている家人に、今見た光景を話そうか、話すまいか逡巡した。
「もうデザート?」
と言う妻に、「ああ、もう充分・・・」
と生返事を返した。
ネズミの話は車に乗ってからさりげなくして見よう・・とそのとき思った。(続)