バリに到着した日、空港からホテルに向うラヤ・ウルワツ通りの両側には、深夜にも関わらず
沢山の店がまだ灯りを灯していた。
そんな昔ながらの店先には、必ずと言っても良いほどに、2メートル四方位の大きさの棚が立ち、
そこになにやら液体の入ったビンを並べていた。
裸電球の元では暗くてよく解らないが、色が薄いパイナップルジュースのように見える。
何だろう、トロピカルジュースか何かだったら一度飲んで見たいものだと思っていた。

バリの道路は、空港に近い幹線道路こそ広々としているが、地方に向うとその殆どが片側一車線となる。
信号機を見かけることは余り無い。
車道幅も日本のそれと比べると、どこも少し狭いようだ。
その車線の横に地道の路肩が有り、それが両側に構える店先へと続いている。
その店先にも同じような棚が置かれ、ビンが並んでいる。
どの店も一様に、同じ向きでこの棚を置いているが、よくよく見てみると、その液体の入ったビンの形、
大きさが若干違っている事に気付く。

現地ガイドに聞いてみた。
「あれはジュースか?だったら飲んで見たいのだが」
ガイドが大声を出して笑った。
「あれは、バイクが飲むジュースだ」
バイク用のガソリンを店先で売っていると言う。
キンタマーニ高原からの帰り道、夕方のラッシュに遭遇した。
余り広くない道路に、車に紛れて走行する夥しいバイクに出会った。
車とバイクが無秩序に入り混じり、まるで(表現は悪いが)暴走族の集団走行のような光景にびっくりしたものだ。


こうして現地の人の通勤は殆どがバイクらしい。
そして、休日に買い物などに出かけるときはバイクに家族を乗せて行くらしい。
バリではまだまだ車は贅沢品で一般家庭には普及していない。
その代わりの足がバイクらしく、どの家庭にも一台は必ず有ると言う。

「二人乗りは当たり前、四人乗って走るよ」ガイドが教えてくれた。
お父さんがハンドルを握り、その足の間に子供を乗せる。
後ろの荷台にはお母さんが子供を抱えて座ると四人乗りと成る。
それを聞いて後、車で移動する折に街中をよくよく観察しているとまさに言われた通り。
ヘルメットも被らず二人乗り、三人乗りは当たり前。
いたいた、本当にいた、四人乗りにも出会うのである。
さすがに五人乗りを目にすることは無かった。
ヘルメットは義務化されていると言うが、被っていないバイクも多い。
市民の足だからか、警察もそんなに厳しくは取締りをしないらしい。
【写真:バリのバイク風景】
そんなわけで町にはバイクが溢れているし、観光でツーリングする人も多いから店先で“バイクのジュース”
が売られているのであろう。
それにしてもガソリンが、いたるところに本当に無造作に、また普通に並べて売られている事には驚かされる。(続)
沢山の店がまだ灯りを灯していた。
そんな昔ながらの店先には、必ずと言っても良いほどに、2メートル四方位の大きさの棚が立ち、
そこになにやら液体の入ったビンを並べていた。
裸電球の元では暗くてよく解らないが、色が薄いパイナップルジュースのように見える。
何だろう、トロピカルジュースか何かだったら一度飲んで見たいものだと思っていた。

バリの道路は、空港に近い幹線道路こそ広々としているが、地方に向うとその殆どが片側一車線となる。
信号機を見かけることは余り無い。
車道幅も日本のそれと比べると、どこも少し狭いようだ。
その車線の横に地道の路肩が有り、それが両側に構える店先へと続いている。
その店先にも同じような棚が置かれ、ビンが並んでいる。
どの店も一様に、同じ向きでこの棚を置いているが、よくよく見てみると、その液体の入ったビンの形、
大きさが若干違っている事に気付く。

現地ガイドに聞いてみた。
「あれはジュースか?だったら飲んで見たいのだが」
ガイドが大声を出して笑った。
「あれは、バイクが飲むジュースだ」
バイク用のガソリンを店先で売っていると言う。
キンタマーニ高原からの帰り道、夕方のラッシュに遭遇した。
余り広くない道路に、車に紛れて走行する夥しいバイクに出会った。
車とバイクが無秩序に入り混じり、まるで(表現は悪いが)暴走族の集団走行のような光景にびっくりしたものだ。


こうして現地の人の通勤は殆どがバイクらしい。
そして、休日に買い物などに出かけるときはバイクに家族を乗せて行くらしい。
バリではまだまだ車は贅沢品で一般家庭には普及していない。
その代わりの足がバイクらしく、どの家庭にも一台は必ず有ると言う。

「二人乗りは当たり前、四人乗って走るよ」ガイドが教えてくれた。
お父さんがハンドルを握り、その足の間に子供を乗せる。
後ろの荷台にはお母さんが子供を抱えて座ると四人乗りと成る。
それを聞いて後、車で移動する折に街中をよくよく観察しているとまさに言われた通り。
ヘルメットも被らず二人乗り、三人乗りは当たり前。
いたいた、本当にいた、四人乗りにも出会うのである。
さすがに五人乗りを目にすることは無かった。
ヘルメットは義務化されていると言うが、被っていないバイクも多い。
市民の足だからか、警察もそんなに厳しくは取締りをしないらしい。

そんなわけで町にはバイクが溢れているし、観光でツーリングする人も多いから店先で“バイクのジュース”
が売られているのであろう。
それにしてもガソリンが、いたるところに本当に無造作に、また普通に並べて売られている事には驚かされる。(続)