夕食を済ませ、夜遅く、ホテルに戻る。
預けてあったトランクを受け取り、空港への迎えの車が来るのをロビーで待つ。
直ぐ横のソファを占めた家族連れも同じ便を待っているのか、僅かな時間を使って
荷造りに余念が無い。
幸い・・・と言うか、我々の荷物はもう既にトランクには詰められないから、手で持っ
て行くだけだ。
機内に持ち込める手荷物の事が良く解っていないので、万一に備え、出来るだけ
一人一個にまとめ、手荷物として持ちやすいようにする。
しかし、直ぐ横の家族連れは大変そうだ。
トランクのファスナーが閉まらないのか、お父さんがトランクの上で全体重をかけ、
お母さんがファスナーを閉める共同作業の真っ最中。
ソファの上にはまだ幾つもの買い物袋があり、もうトランクには入らないから手で
下げていくのであろう。
いずこも同じなのだと、思わず苦笑いをしてしまう。
迎えの車で空港に向い、ターミナルに入る。
現地ガイドの「また来てください」の言葉に、「ああもうこれで帰るのか」と、惜別の情が
胸を締める。
手を振ってガイドと別れを惜しみ、帰国便を待つ多くの人混みに混じり、出国ゲートに向う。
【写真:出国ゲート】
機は予定通り離陸した。
明日の朝には関西空港に到着する筈だ。
深夜の便とあって旅なれた人達は、幾つかのシートを独り占めし、早々と毛布を被り、
寝る体勢に入っている。
少しは眠っておかなければ・・と目を瞑るがなかなか寝付かれない。
それでも少し眠ったのであろうか、気が付くと少し開けたブラインドの下が赤くなっている。
もう少しブラインドを開け、外を覗くと、真っ赤な太陽が雲を茜に染めながら今正に昇って
くるところだ。素晴らしい日の出にしばし見とれる。


【写真:日の出】
暫くして機内に灯りが戻り、慌ただしく朝食が配られる。
【写真:朝食】
朝食が済む頃、空港到着の案内が始まると、到着に備え機内がざわつき始める。
窓の外を見ると、いよいよ着陸の態勢に入ったのか、機は雲の中で何も見えなくなっていた。
やがて機首を下げ、雲を抜けると、鉛色の隙間から大阪の街並みが見えた。
そして着陸だ。

【写真:着陸】
定刻、機は梅雨の雨がしとしとと降る、関西国際空港の滑走路に滑るように到着した。
(バリ島旅行記 完)
預けてあったトランクを受け取り、空港への迎えの車が来るのをロビーで待つ。
直ぐ横のソファを占めた家族連れも同じ便を待っているのか、僅かな時間を使って
荷造りに余念が無い。
幸い・・・と言うか、我々の荷物はもう既にトランクには詰められないから、手で持っ
て行くだけだ。
機内に持ち込める手荷物の事が良く解っていないので、万一に備え、出来るだけ
一人一個にまとめ、手荷物として持ちやすいようにする。
しかし、直ぐ横の家族連れは大変そうだ。
トランクのファスナーが閉まらないのか、お父さんがトランクの上で全体重をかけ、
お母さんがファスナーを閉める共同作業の真っ最中。
ソファの上にはまだ幾つもの買い物袋があり、もうトランクには入らないから手で
下げていくのであろう。
いずこも同じなのだと、思わず苦笑いをしてしまう。
迎えの車で空港に向い、ターミナルに入る。
現地ガイドの「また来てください」の言葉に、「ああもうこれで帰るのか」と、惜別の情が
胸を締める。
手を振ってガイドと別れを惜しみ、帰国便を待つ多くの人混みに混じり、出国ゲートに向う。

機は予定通り離陸した。
明日の朝には関西空港に到着する筈だ。
深夜の便とあって旅なれた人達は、幾つかのシートを独り占めし、早々と毛布を被り、
寝る体勢に入っている。
少しは眠っておかなければ・・と目を瞑るがなかなか寝付かれない。
それでも少し眠ったのであろうか、気が付くと少し開けたブラインドの下が赤くなっている。
もう少しブラインドを開け、外を覗くと、真っ赤な太陽が雲を茜に染めながら今正に昇って
くるところだ。素晴らしい日の出にしばし見とれる。



暫くして機内に灯りが戻り、慌ただしく朝食が配られる。

朝食が済む頃、空港到着の案内が始まると、到着に備え機内がざわつき始める。
窓の外を見ると、いよいよ着陸の態勢に入ったのか、機は雲の中で何も見えなくなっていた。
やがて機首を下げ、雲を抜けると、鉛色の隙間から大阪の街並みが見えた。
そして着陸だ。


定刻、機は梅雨の雨がしとしとと降る、関西国際空港の滑走路に滑るように到着した。
(バリ島旅行記 完)