簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
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食べたまま、書いてます。

日田のおひなさま (JR乗り潰しの旅)

2013-01-14 | Weblog


 白壁の古風な店構えが連なる通りの一角で、“雛御殿”と書かれた江戸時代のお駕籠を
模した看板を掲げた店を見つけた。
入口の脇には「醸造元 味噌醤油醸造元 創業天保十四年」とあるので、味噌や醤油を売
る店である。試食の出来る店の奥が、古今のひな人形を見せる有料の施設に成っている。



 朱塗りの煌びやかな門を潜ると、館内の棚や、畳敷きの広間には緋毛氈が敷かれ、
その上に数えきれないほどの“おひなさま”が並べられている。
 その数3000体とも3500体とも言われる“おひなさま”の中には、250年前の享保
年間の内裏雛や、洋装をした変わり雛、きせかえ雛から豪華な段飾り雛、それらに
付属する雛道具、貝合わせ等が所狭しと並べられ、なかなかに見応えが有る。





 これらはこのお醤油屋さんのコレクションらしく、こう言った雛のコレクションは、他にも
「日本丸」と言う古い薬屋、日田の旧家・広瀬資料館、大分県の有形文化財に指定され
ている草野本家などでも見る事が出来る。



 幕府の直轄地「天領」となったこの地には、華やかな町人文化が花開いた。
裕福な町屋では、高価な雛人形等を競って飾り合い、そのために当時の文化の中心で
あった京や江戸から取り寄せたり、土産として持ち帰ったりした。



 そんな江戸から明治大正にかけての古い雛が、旧家には伝えられ、今日の“日田
おひなまつり”に引き継がれているのだと言う。(続)


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