伊予三島の駅を後にして、暫く市街地を歩く。
次第に進路を南にとりながら、舗装された道を緩く上り、松山道を潜り三島公園の
辺りで遍路道に合流する。銅山川発電所を見て、今来た道を振り返ると、眼下には
町並みが広がり中々の眺めである。
いつの間にか思ったよりも高いところに上っていた。
丁度ここら辺りの標高が70mほどと言うから、三角寺山(海抜450m)の中腹にある
札所まではあと約4キロ、標高差280mの急な山登りが待っていることに成る。
まさに五月晴れの青空のもと、日差しは強く、汗ばむほどの陽気だ。
そんな肌を時折撫ぜていく風は、まだひんやりと冷たくて爽やかだ。
道辺の木々の中で遊ぶ小鳥たちのさえずりが耳に心地良く、背中を押してくれる。
山道の左手が突然開け、左手に三島の町並みと煙突の聳える臨海工業地帯が
広がった。余りの眺望に暫し足を止め見入ってしまう。こんな地に「ひびき休憩場」
が造られていて、畑仕事のおじさんが「休んでいきな」と声を掛けてくれた。
道は次第に山道に向かう。
最近山道を登るとすぐに息が上がってしまう。持久力が無いと言うか、酸欠のよう
な状態で、この日も情けないぐらいにバテバテで、しっかりと時間を要してしまった。
辿り着いた駐車場の先に長い石段が延びている。
この石段は、大きな石を組み上げたもので、その一段は高く、しかも角度はきつい。
まるで聳え立つ壁のような様は、これが伊予路最後の試練だよ・・・と挑みかけてい
るようだ。(続)
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辺りで遍路道に合流する。銅山川発電所を見て、今来た道を振り返ると、眼下には
町並みが広がり中々の眺めである。
いつの間にか思ったよりも高いところに上っていた。
丁度ここら辺りの標高が70mほどと言うから、三角寺山(海抜450m)の中腹にある
札所まではあと約4キロ、標高差280mの急な山登りが待っていることに成る。
まさに五月晴れの青空のもと、日差しは強く、汗ばむほどの陽気だ。
そんな肌を時折撫ぜていく風は、まだひんやりと冷たくて爽やかだ。
道辺の木々の中で遊ぶ小鳥たちのさえずりが耳に心地良く、背中を押してくれる。
山道の左手が突然開け、左手に三島の町並みと煙突の聳える臨海工業地帯が
広がった。余りの眺望に暫し足を止め見入ってしまう。こんな地に「ひびき休憩場」
が造られていて、畑仕事のおじさんが「休んでいきな」と声を掛けてくれた。
道は次第に山道に向かう。
最近山道を登るとすぐに息が上がってしまう。持久力が無いと言うか、酸欠のよう
な状態で、この日も情けないぐらいにバテバテで、しっかりと時間を要してしまった。
辿り着いた駐車場の先に長い石段が延びている。
この石段は、大きな石を組み上げたもので、その一段は高く、しかも角度はきつい。
まるで聳え立つ壁のような様は、これが伊予路最後の試練だよ・・・と挑みかけてい
るようだ。(続)
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