簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

長尾寺と静御前 (四国遍路の旅)

2014-12-10 | Weblog
 志度を後に長尾の町に入り古い町並みの一角にある87番札所・長尾寺に到着
した。町の通りの角を曲がると、仁王門の前に背丈ほどの石塔が二基建っている。
説明書きによると経憧(きょうどう)と言うものらしく、経文を埋納する施設として、或
は供養の標識として建てられたものらしい。
弘安の銘があると言うので、もしかしたら元寇の役で戦死した兵士の供養として建
てられたものなのか、そんな想像が膨らんでくる。



 ずいぶんと広く開放感のある境内である。
鐘の吊るされた仁王門を潜ると、石畳を敷いた道が真っ直ぐ本堂に向かい伸び
ている。その両側は広々とした公園の広場のような空き地で、そこには何本かの
松や楠が植えられているだけである。どうやらこの広場は、訪れる人々の駐車場
となっているようだ。本堂を挟み込むように、右に大師堂、左に護摩堂や常行堂
が直線状に建ち並んでいる。





 そんな一角に地蔵尊像が有り、その片隅に静御前の剃髪塚がひっそりと佇んで
いる。義経と吉野で別れた静御前は、捕えられ鎌倉に送られた。その後鎌倉を逃れ
た静は、義経が奥州衣川で討ち死にした後、母磯禅尼の生まれ故郷に近いこの地
に身を寄せ、この寺の住職の得度を受け剃髪した。
その髪を埋めたのがこの塚で、本堂には位牌も祀られていると言う。





 こんな塚の存在を知ってか知らずにか、バスで訪れる団体の参詣客の多くは納経
を終えると結願寺に心が急くのであろうか、慌ただしくバスに乗り込んでいく。(続)




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