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那岐駅は、昭和7年の鉄道開設当時の面影を今に伝えている。
因美線でも名うての豪雪地帯らしく、雪囲いの屋根・壁が設けられた急な階段を上
るとそこに2面2線のホームが有る。
上り線と下り線のホームは結構長く、少しずれた位置にあるのはかつては長大編
成の列車がここでタブレット交換をした名残であろう。
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無人化された駅にはその後那岐町の診療所が設けられている。
と言っても診療日は月2回、診療時間は2時間、内科だけである。
これは「みどりの風が吹く過疎のまち」人口8000人ほどの智頭町にある智頭病院
による支援事業らしい。
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そんな駅から歩いて10分ほどのところに、自家製天然酵母を売りに、カフェを併
設したパン屋さんがオープンして近頃評判になっている。
「パン屋 タルマーリー」だ。
閉園になって利用されていなかった那岐保育園の建物を改装し営業がはじまった。
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地域の天然酵母、自然栽培した原料や天然水を使い、パンを焼く石窯の燃料に
は地元の薪を使う。過疎の地に有るからこそ里山の恵みを最大限に生かし、今こ
こでしか作れないパンとビールにこだわり挑戦を続けていると言う。
製造に使う“菌”を通して地域社会と一緒に進み、新たな地域循環を作っていこう
と言う課題への取り組みだ。
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千葉県のいすみ市から一時岡山県の勝山市に移転し、更にその後適地を求め
2015年の6月にここに居を構え今年で一周年を迎えている。
そんなパン屋のご主人が書いた「田舎のパン屋が見つけた 腐る経済」と言う本も
2013年の発売以来ロングセラーになっていると言う。(続)
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