簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
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食べたまま、書いてます。

茅葺屋根の駅

2017-11-24 | Weblog
 湯野上温泉駅は旧国鉄の会津線湯野上駅として、昭和7(1932)年12月に開業
している。その後経営がJR東日本から第三セクターの会津鉄道に移り、この折駅
名も湯野上温泉駅と変えられた。昭和62(1987)年7月のことだそうだ。





 その後駅舎は、近くにある「大内宿」の観光最寄り駅であることから、茅葺屋根の
建ち並ぶ町並みになぞらえて、茅葺の屋根を有する建物に建て替えられ、「日本で
唯一の茅葺屋根を有する駅」となり、東北の駅百選にも選ばれた。

 湯野上温泉の最寄り駅であり、駅舎の横には足湯も併設されている事などから、
駅名標には「江戸風情と湯けむりの里」と書かれている。





 ところがJR九州の久大本線・豊後中村駅が、平成22(2010)年に現駅舎を取り壊
し再建により茅葺屋根の駅舎としたことで日本唯一の称号は無くなってしまった。

 駅には相対したホームが千鳥に配置されていて、ここでは列車の交換が行われる。
そのため先着した列車は暫く停車する事もあり、乗客はその間カメラを片手にホーム
を右往左往して写真を撮るのに慌ただしく、そんな賑わいを見せる駅でもある。





 改札を抜けると構内は思ったよりも広く、左側に駅務室が有り売店を兼ねている。
右側が待合室になっていて、その一角に板敷の小さな間が拵えてあり、その中央に
は囲炉裏が切られ、暖かな火が燃え盛っていた。
立ち上る煙は萱の虫よけになると言う。

 ここでは地元の名産品に交じり、簡単なコーヒーなどの飲み物も売られている。
囲炉裏の有る上がり框に腰を下ろし、そっと手をかざしながらお茶をしたくなる、
そんな風情の、懐かしさを辿りたくなる駅である。(続)

                   
 最新フォトチャンネル「晩秋の上高地」公開しました


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