三島宿の中心、三嶋大社にやってきた。
平安時代から三嶋明神と呼ばれ、伊豆の国の一宮として広く信仰を集めてき
た古社である。
韮山の蛭が小島に流された源頼朝が、源氏の再興を願い百日祈願をしたこと
でも知られている。頼朝は、伊豆に挙兵した第一戦では、その勝利の報告に
参拝し、境内の石に腰を下ろしたと言う。その腰掛石は今も境内に残り伝え
られている。
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街道に面して立つ石の大きな鳥居をくぐる。
広重の東海道五十三次では「三島 朝霧」として、籠と馬に乗りこれから箱根
西坂を目指す旅人の背景に、霞む姿で灯籠と共に描かれているところだ。
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境内には石敷の参道が本殿に向け真っ直ぐに延びている。
総門を潜り、更に神門を潜った先の右手には高さ15m、目通りの幹回りが3m、
樹齢1200年と言う金木犀の大木が有り、天然記念物に指定されている。
開花時にはその芳香は馥郁たるもので、それは風向きによっては10キロにも及
ぶと言う。その先の舞殿を回り込めばご本殿である。
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境内の一角に「三嶋大社名物 福太郎餅」と書かれた看板を見つけ、立ち
寄ってみる。
大社の神事に登場する「福太郎」に因む、福を授けると言う縁起餅らしい。
古来より邪気を払い、滋養にも富んだヨモギを餅に搗き込み、顔に見立てて
丸めた団子に烏帽子状にしたこしあんを被せ包んでいる。
一口で頂ける草餅で、程よい甘さのこしあんは、共に供される「ぬまづ茶」
との相性も良く、まさに門前の名物に美味いものありで、歩き疲れた身体を癒
してくれる。(続)
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