簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

農兵節(東海道歩き旅・伊豆の国)

2019-05-13 | Weblog

 その先で伊豆箱根鉄道線の踏切を渡る。
右側が三島広小路の駅である。この路線はこの先韮山、長岡を経て修善寺に
向かっている。しばらく行くと、町中の道路脇に聞き慣れた文言の書かれた
大きな看板が立っていた。



 「富士の白雪 朝日にとける とけて流れて 三嶋にそそぐ 三嶋女郎衆の 
深情け」静岡県の民謡「農兵節」をもじったものである。



 江戸時代末期、伊豆韮山の代官・江川太郎左衛門は国防を訴え、外敵から
国を守るため反射炉を築き大砲を制作していた。
その傍ら若い農夫を集め訓練をする調練所を開いた。
その跡地は今の市役所がある辺りと言い今そこには記念碑が建てられている。



 その教練で行進曲として使われたのがこの元歌で、その故事にあやかり街道
筋で流行したのがしりとり歌である「ノーエ節」、それを基に今の「農兵節」
が作られレコード化されたことも有り全国に広まったのだそうだ。
今では三島夏祭りでは欠かせないものになっているという。



 「富士の白雪ノ~エ 富士の白雪ノ~エ 富士のサイサイ 白雪朝日でとける♪
とけて流れてノ~エ とけて流れてノ~エ とけてサイサイ 流れて三島にそそぐ♪
三島女郎衆はノ~エ 三島女郎衆はノ~エ 三島サイサイ 女郎衆はお化粧が長い♪」



 単調で軽快なリズムは行進曲には打って付けで、小さな声を出し思わず口ず
さめば、疲れた足取りも軽くなる。
歌いながら歩けばいつの間にか、箸で皿を叩きながら蛮声を張り上げていた何
十年も前の職場の懇親会と言う名の宴会のドンチャン騒ぎを思い出していた。(続)


コメント
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