岡山市と県北部の津山市とを結ぶJR津山線には競合する強力なライバル
が存在する。
津山線は岡山を出るとほぼ旭川に沿って北上する。
そんな沿線途中の野々口辺りから、それらに絡みつくように国道53号線も寄
り添ってくる。この国道53号線は、岡山市の中心部から中国山地を突き抜け、
鳥取県庁付近に至る延長140Kmほどの陰陽連絡道路の一つである。
岡山県内では県の北部と県都岡山市を結ぶ路線として、津山線が重要な位置
づけにあるのと同様に、この道路もまた連絡線として交通量の多い重要な道
路である。



この道路を走る路線バスの運行が2013年12月から始まった。
中鉄北部バス、中国JRバス、両備バスの三社共同運行による「岡山エクス
プレスつやま号」である。
元々ここには中鉄バスが路線を持っていたが、乗客減で廃止されていた。
しかし近年岡山駅前に大型商業施設がオープンしたこともあり、利用増が見
込めるとして再開されたものだが、期待されるほどでもなく、運行会社が相
次いで撤退し、現在は両備バス1社による単独運行に後退した。



高速道路を通らない高速路線バスで、一日4往復毎日運行され、最短1時
間35分と言う。これはJRが対抗して走らせている快速「ことぶき」の1時間
10分にはかなわないものの、普通列車とは何らそん色がない。
運賃はJRが片道1140円(往復2280円)なのに対し、片道800円だ。
乗り心地から言えばバスの方が断然優れているが、ノンストップバスの為、
乗降場所が限られていることや、実際の乗車時間が岡山市内の渋滞の影響を
受けているようで、こんなことが伸び悩みの基らしい。(続)



