「湯の山温泉」の歴史は古く、養老2(718)年に浄薫和尚が薬師如
来のお告げにより発見されたと伝えられている。
昔から傷ついた鹿が谷川で傷を癒した伝説が有り、別名を「鹿の湯」と
も言う。泉質はアルカリ性ラジウム泉で、神経痛、胃腸病、外傷に効果
が有り、美肌の特効薬、美人の湯として女性には特に人気らしい。
四日市からは近鉄湯の山線で、終点の湯の山温泉駅まで行き、連絡バ
スに10分程乗れば温泉街だ。終点が御在所ロープウェイの麓駅前である。
標高差780m、全長2161mの空中散歩は、12分程で御在所岳(1212m)
に上り、山頂までは、更にリフトに乗換えること8分余りだ。
観光リフトの頂上駅を出ると、一等三角点が有りここが山頂で、山口
誓子の句碑等もある。
眺望は絶景で、眼下に温泉街が、さらに四日市の市街地や伊勢平野は
勿論のこと、遠く伊勢湾から知多半島までもが一望出来る。
温泉街の一帯は鈴鹿国定公園で、御在所岳の東麓に位置し、街の中程
を三滝川が流れ、河畔の渓谷に20軒ほどのホテル、旅館等がひしめき合
い建っている。
中京圏や関西圏からのアクセスも良く、歓楽的な要素は少ないが気軽
な温泉地・観光地として人気で、日帰りの入浴客も多いという。
温泉街の三嶽寺は、「恋結び折鶴伝説」が知られていて、永遠の愛と
幸せに結ばれることを願い、折鶴を奉納する恋人たちに人気のパワース
ポットとして知られている。
又、大石公園には日本一大きいと言われる御影石があり、大石内蔵助
が訪れた際に思わずたたずんでしまったと伝えられている。(続)
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