簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
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食べたまま、書いてます。

浦富海岸の民宿

2010-12-29 | Weblog
もう四半世紀以上も前の事である。
職場の仲間10人ほどが、三台の自家用車に分乗し、山陰に向かった。
行先は、その土地の旅行社に務める知人に紹介してもらった浦富海岸(鳥取県)の民宿・T荘。
その月、漁が解禁に成ったばかりの、「冬の味覚の王様・松葉ガニ」が目的だ。




折角行くのだからと、近隣の観光地を二三周り、旅気分を楽しんだ後、夕方T荘に落ち着くと、風呂に入るのももどかしく、早速皆揃って食事の席に着いた。

一匹丸ごとの「ゆでカニ」から、「さしみ」、「焼きガニ」、「かに鍋」、「カニグラタン」「カニみそ」等々、正にカニ尽くし、加えてその日浜に上がったばかりで、まだピクピクと動いている活きの良い「ヒラメ」や「タイ」の活け造り、さらには茶碗蒸し、酢のもの、焼き魚等々・・・。

こんなにたくさん食べきれない・・・などと言っていた弱気は食べ始めだけ。
皆黙々箸を進める。
カニを食べる時は、皆一様に寡黙になるようだ。
世話好きの女将さんが、食事中もカニの上手な食べ方を指南してくれるので、もうこれ以上身は残っていない、と言うほどに綺麗に食べ上げた。
誰もが大満足で、お腹を抱えていた。




それからと言うもの、皆これに味をしめてしまった。
その後は、転勤や移動で参加メンバーに多少の変動は有ったものの、毎年この時期の浦富詣でが始まった。
そんなある時、女将さんから、民宿の廃業を知らされた。
成長したお子達が、そろそろ個室を欲しがる年頃に成ったのもその一因だそうだ。
暫く、見ていなかったと思ったが、何時しかもうそんな年頃に成っていたのだ。
小さな身体に、ビールを抱え込んで、一生懸命お手伝いしていた姿が思い出された。(続)


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