一方北口には、メルヘンチックで北欧風な雰囲気が漂っている。
アウトレット等の商業施設もあるが、南口とは対照的に長閑な佇まいだ。
それは嘗て、都市型テーマパーク「倉敷チボリ公園」が立地していた名
残の数々が、今なお残されているからである。
アトラクション20、土産処13,レストラン14等で構成され、主にファ
ミリー向けとも言われた公園は、滞在型観光の拠点として大きな期待が
かけられ平成9(1997)年に開園した。
「倉敷美観地区」が周遊型観光地と言われ、その短い滞在時間をここ
とセットにする事で引き延ばしたいとの思惑である。
敷いては、泊まり客を増やそうとの意気込みが、当時の関係者にはあった。
開園当初は、年間三百万人近い入場者を誇ったが、その後年々減少し、
数々の立て直し策が行われるものの改善する事は無かった。
終には百万人を大きく下回るほどになり、11年後(2008年)の大晦日に
は営業の幕を下ろすことになる。
この公園は当初、隣接する岡山市が市制施行100周年記念事業として、
岡山駅の西、旧岡山操車場の広大な遊休地に計画したものである。
ところが計画が杜撰との批判が持ち上がり、地元の誘致反対運動まで
起きる始末で、終には計画は頓挫した。
その後当時の県知事の斡旋で、倉敷への誘致話が進められた。
時を同じくして、当地で操業をしていたクラボウ倉敷工場(万寿工場)が
閉鎖される事となり、広大な遊休地が出現することが判明した。
渡りに舟、美味くタイミングが合いその跡地開発として計画が進められ、
一気に開園にこぎ着けたものである。
駅の北口を出るとペデストリアンデッキが延び、そこには当時イベントが
行われた小さなステージが残されている。
バス乗り場となったロータリーには、アンデルセン広場も残された。
コペンハーゲン市庁舎のシンボル塔を模した「からくり時計」は、4人の
ヴァイキング像に守られながら今も変らず時を告げている。(続)
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