太陽神であるアマテラスオオミカミが、スサノオノミコトの行状に怒り、天岩戸にお
隠れになり磐戸を閉め籠ったため、その支配する高天原も葦原の中つ国(日本の
国)も暗闇に包まれてしまった。
しかもその後、疫病が流行り、不作が続くなど、さまざまな災いが起こったので、
八百万の神々は困ってしまい、皆が寄り集まって対応を協議したと神話は伝えて
いる。その神々が寄り集まって協議したとされる場所が天安河原である。
天岩戸神社の裏口から一旦表の県道に出て暫く歩き、茶店が建ち並ぶ辺りで右
に折れ、坂道をどこまでも下りて行く。
鬱蒼と茂る木立の中に続く道を下り、途中で岩戸川の支流に架かる小さな橋を渡る。
太鼓橋と名付けられた橋で、噂によればこの辺りの“気”は特別のものがあるらしく、
パワースポットとして人気の場所だとか。
そこから更に進むと岩戸川の流れは凡そ深山幽谷の趣で、岩を食む瀬音が高い。
その流れに沿って続く道をさらに進むと、やがて川床が広がり、左手に大きな洞窟
が見えて来る。そこには小さな鳥居が建ち、奥に祠が祀られている。
この地こそが天安河原であり、祠は天安河原宮である。
そこら辺り一帯には、石で積み上げた小さな塔が無数に拡がっている。
小石を二つ三つ積み上げただけの簡素なものから、大きな岩の上に段々に小さな
岩を積み上げたものまで、無限とも思える石塔が周りに異様な雰囲気を伝えている。
参拝に訪れた人々が願をかけ、一つずつ積み上げたものらしく、この光景が幻想
的で、この地の神秘さを一層高めている。(続)
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