十津川温泉からこの村営バスに乗り込んだ乗客は7名ほどで、全員が観光客と
思われ、地元民らしきの人の姿は無い。
律儀に立ち寄った途中の停留所でも乗り降りが無いまま、全員がここ熊野本宮
大社前で降りた。
さすがユネスコの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」として登録された地
だけに、観光バスやマイカーで訪れる観光客が多い。
バス停から目の前の国道を横切って、大鳥居を潜り境内に入る。
「熊野大権現」と書かれた白い幟旗の立てられた参道を進むと、杉木立の茂る
森の中に神域に向かう158段の石段が延びている。
しばらく上ると手水舎と宝物殿がある。
参道は神様が中央を通られ、参拝は右端を上るのが作法とされているから、
手水舎も右側に立てられているようだ。
石段を上り終えれば右手に授与所が、左手には新しい拝殿がその威容を誇り、
その間の正面に神門が建っている。
大注連縄の掛かる神門を潜ると、そこは社域の中でも一番神聖とされる場所
で、正面に檜皮葺の御社殿がその姿を現す。
平成7年に国の重要文化財に指定された建物だ。
参拝はまず正面の素戔嗚尊を祀る証誠殿から始め、次に左の中御前、更に左の
西御前を、その後右端の東御前をお参りするのが作法と言う。
全国にあまたある「熊野神社」の総本山に当たるのが熊野三山である。
その中でもとりわけ古式ゆかしい雰囲気の漂うのがこの「熊野本宮大社」だと
言われている。
その深い緑に包まれた静謐な空間は、千年の昔から祈りをささげる人々の心を
静かに受け止め、今も悠久な時を刻み続けている。(続)
「はれのくに おかやま」観光情報 最新記事アップしました。
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