簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

湯西川温泉

2017-12-15 | Weblog
 「下野の国・湯西川は、平家落人の安住の地と定めたるところなり。」
壇ノ浦で源氏に敗れ海の藻屑と散った平家一族は、その後生き残った公達が各
地に落ち延び、ひっそりと息をひそめるような忍従の生活を強いられたという伝説
は全国各地に幾つもある。ここ湯西川もその一つだ。



 源氏の厳しい討伐を逃れ生きるため各地に散ったが、平重盛(清盛の長男)の
六男・忠実もその一人で、落ち延びた里がここ湯西川と言われている。
それから400年ほど経過した天正年間に、落人の子孫により発見されたのがこの
温泉の始まりとされ、「温泉発見伝説」が残されている。



 温泉街は湯西川の渓流沿いに開けていて、比較的高級そうな構えの大型の旅
館やホテルが多く見受けられるが、町中には民宿も沢山ある。
これらの中には平家を彷彿さすような屋号を付け平家縁を名乗っている処もある。
また多くの宿は、渓流沿いの温泉露天風呂を自慢としている。



 この地の宿の食事処には、囲炉裏が用意されているところが多いと言う。
串に刺した食材を囲炉裏の火で炙って食べる、平家の時代から伝わる伝統の囲炉
裏料理を提供しているのもこの温泉の特徴のようだ。



 町中を県道が貫いていて、車の通行も多く、通りを歩く観光客らしき姿もチラホラ
と見受けられる。
そんな通りには、ソバや湯葉などを提供する食事処や民芸品店、土産物屋も多い。



 周辺には古社や平家ゆかりの「平家の里」「平家落人民族資料館」「平家狩人村」
なども有り、「秘境・落人の里」を謳っているが、町の雰囲気はどことなく明るく、地勢
からも秘境と言うそんなイメージは感じられない。(続)





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