桑名市は三重県の北部、木曽三川の河口部に有り、伊勢平野に開け愛
知県や岐阜県と接する市である。
名古屋との距離が25㎞と近く、中京圏を構成する市は、名古屋のベッド
タウンとして発展してきた。
ナガシマスパーランドや旧東海道・七里の渡し跡、多度大社など豊富
な観光資源に訪れる人も多い。それを支えるのがJR東海の関西本線と近
鉄の名古屋本線で、両者は競合関係に有り、お互い切磋琢磨しながら動
脈を支えている。
桑名と言えば昔から焼きハマグリが名物として知られた土地柄だ。
「東海木曽両道中懐宝図鑑(宮―桑名)」では、「蛤白魚貝合の貝も
ここより出る」と紹介している。
洒落言葉にも、その手は喰わないこと、美味いことを言っても欺され
ないことを「その手は桑名の焼き蛤」という。
既に江戸時代には、町民の間でも頻りに使われていたらしい。
このような有名な食文化も、今日に到るまで観光を支えている。
昔は宿場内の茶店などでは、上陸し舟旅の疲れを癒やす旅人や、舟を待
つ人々などに盛んに蛤やシロウオが提供されていたようだ。
当地に到着した弥次さん喜多さんも、枯れ松葉や松笠で燻し焼きにし
た殻付きの蛤を肴に酒を飲んでいる。
蛤は、歴代の将軍にも献上されたという。
歴史有る伊勢湾の恵みも、乱獲か海の汚れか、近年ではその生産量は激
減し、一時は絶滅の危機などと言われていた。
最近では、地道な稚貝の放流などで、少しずつ回復傾向にあり、復活が
待たれている。
今日桑名の町中で見かけるのは、佃煮の「しぐれ蛤」が多いようだ。
それでも所々には、「蛤」「焼きハマグリ」の看板や暖簾を掲げる食事
処などもあるが、高級感が否めない。
庶民の口にも気軽に入る日が、待たれている。(続)
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知県や岐阜県と接する市である。
名古屋との距離が25㎞と近く、中京圏を構成する市は、名古屋のベッド
タウンとして発展してきた。
ナガシマスパーランドや旧東海道・七里の渡し跡、多度大社など豊富
な観光資源に訪れる人も多い。それを支えるのがJR東海の関西本線と近
鉄の名古屋本線で、両者は競合関係に有り、お互い切磋琢磨しながら動
脈を支えている。
桑名と言えば昔から焼きハマグリが名物として知られた土地柄だ。
「東海木曽両道中懐宝図鑑(宮―桑名)」では、「蛤白魚貝合の貝も
ここより出る」と紹介している。
洒落言葉にも、その手は喰わないこと、美味いことを言っても欺され
ないことを「その手は桑名の焼き蛤」という。
既に江戸時代には、町民の間でも頻りに使われていたらしい。
このような有名な食文化も、今日に到るまで観光を支えている。
昔は宿場内の茶店などでは、上陸し舟旅の疲れを癒やす旅人や、舟を待
つ人々などに盛んに蛤やシロウオが提供されていたようだ。
当地に到着した弥次さん喜多さんも、枯れ松葉や松笠で燻し焼きにし
た殻付きの蛤を肴に酒を飲んでいる。
蛤は、歴代の将軍にも献上されたという。
歴史有る伊勢湾の恵みも、乱獲か海の汚れか、近年ではその生産量は激
減し、一時は絶滅の危機などと言われていた。
最近では、地道な稚貝の放流などで、少しずつ回復傾向にあり、復活が
待たれている。
今日桑名の町中で見かけるのは、佃煮の「しぐれ蛤」が多いようだ。
それでも所々には、「蛤」「焼きハマグリ」の看板や暖簾を掲げる食事
処などもあるが、高級感が否めない。
庶民の口にも気軽に入る日が、待たれている。(続)
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