美作江見を出て一旦旧出雲街道と別れた姫新線は、楢原、林野と
停車を重ねた先で再び街道に沿うように西進し、勝間田に停車する。
ここは相対式のホーム2面2線の行き違いの出来る駅である。
駅前を国道179号線が横切り、その道路脇に「スイーツのまち
勝shoo央」の看板が立てられている。昔からこの地域では桃やブドウ、
梨、クリなどの栽培が盛んで近頃では収穫祭やそれらを使ったスイーツ
を提供する飲食店などとタイアップした祭りなどを開催している。元々
出荷基準に満たない規格外品果実の活用策として考えられとものらしい
が、今では立派のイベントとして知られるようになり、町おこしに寄与
していると言う。
勝間田は周辺から縄文や弥生の土器などが出土する古くから開け
た地であったらしい。古代には勝間田郡衙(ぐんが)が置かれ、人
や物の行き交う交通の要衝として栄えていた。
宇喜多氏から津山藩・森氏の支配が及ぶころには出雲往来が通され、
都から山陽道を通り、播磨から出雲を結ぶ官道として機能していた。
江戸時代になると松江藩や津山藩のなどの諸大名の参勤交代の
要路となり、美作七宿の一つと言われる勝間田宿として整備がす
すめられたと言う。
駅前に建つスイーツの看板の丁度左横辺りに県道67号線が延び
ている。そこを入り100mほど進むみ左に曲がるとそこには広々と
した明るい色の石畳が敷かれた通りが延びている。
ここから600mほどその先の滝川に架かる大橋まで区間が、旧出雲
街道の勝間田宿跡と言われる通りだ。(続)
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