簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

美作河井 (JR乗り潰し・因美線)

2016-06-06 | Weblog
 知和を過ぎると加茂川の流れはますます狭くなり、両側から急峻な山々が迫っ
てくる。因美線はこのあたりから、厳しい25パーミルの上りが続き、因幡と美作国
境の物見トンネル(3075m)を目指す。



 このトンネルは地質の大部分が固い花崗岩であったことが幸いし、工事は順調
に進み昭和7年に開通した。これにより因美南線と因美北線として建設が進められ
ていた因美線が全通したことになる。



 そのトンネルの手前、雪深い地にあるのが美作河井駅で有る。
切妻の赤いトタン屋根、外壁は下見板張りで、軒下の部分が白い漆喰壁はこの
路線で見られる他の駅舎の造りとほぼ同じである。



 開通当時の駅舎らしく鄙びた佇まいを見せているが、窓枠がサッシに変えられる
など手が加えられていることが歴史的な価値を下げているようだ。
内部の出札窓口や手荷物のカウンターなどの造りは、重厚感のあるしっかりとした
木組みで使い込まれ風格を出しているだけに残念だ。



 ここは立派な島式のホームを持っているから、かつては島式二線の駅と言うこと
になる。現在使われているのは山側の一線のみで、片側の線路や、かつての留
置線は今では本線から切り離され使われていない。



 山裾の少し高台にある駅の構内は、この路線の駅にしては驚くほど広い。
この広いヤードは、かつて木材などの積みだしで大いににぎわった名残であろう。
今も構内には木材が積み上げられ、その横で作業が行われている。
そんな姿を目にすると当時の繁栄ぶりが目に浮かぶようだ。

 賑わいの消えた駅の所々に忘れられた赤茶けたレール、哀れで可哀相で、取り
残された寂しさを感じないわけにはいかない。(続)



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秘境駅・知和(JR乗り潰し・因美線)

2016-06-03 | Weblog
 秘境駅ランキングの134位に位置付けられているのが知和駅である。
(秘境駅訪問家・牛島隆信氏 http://hp1.cyberstation.ne.jp/hikyoueki/による)
駅の開業は昭和6年と比較的新しいが、ここには開業当時の姿を留める駅舎が
そのまま残されている。



 木造平屋建て赤いトタンの切妻屋根、外壁は下見板張りで、軒下の部分が白い
漆喰壁となっている。
駅の内部には出札口や手荷物預かりの窓口などがそのまま残されている。
何れも手の込んだ木造で、その木組みの意匠と白壁漆喰が美しい。



 使い込まれたカウンターは黒光り、風格が感じられる駅舎内である。
ホーム側から見ると、昔懐かしい学校の教室とその前の廊下のような雰囲気を持
っている。



 駅は県道6号線から100mほど入ったところにある。
その入り口には大きな工場があり、その周りには数軒の人家もあるので、この駅
の秘境度はその点では高くない。
この駅が秘境駅と言われる所以は、列車で到達するその難度にある。



 智頭方面に向かう始発列車は12時10分である。
この駅には朝二便ある智頭行の普通すら通過する。
午後は15時台からおよそ2時間おきに4本、最終は20時17分だ。



 反対の津山行きとなると事情は若干異なり、朝は7時台と8時台に各々1本、後は
13時台、16時台、18時台、21時台の4本である。
これはこの地の人々が距離的には変わらない隣県の智頭より、同じ県内の津山市
が生活の拠点になっていることへのJRの配慮であろう。
とはいえこの駅を利用する乗客は極めて少なく、一日10人程度と言う。(続)



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秘境駅ランキング(JR乗り潰し・因美線)

2016-06-01 | Weblog
 鉄道ファンの話題の一つ(ジャンルの一つ)に「秘境駅訪問」がある。
「秘境駅」とは例えば、深い山々に囲まれた山中とか、断崖絶壁の海に面している
とか、荒涼とした原野で辺りには人家どころか道路もないとか、そんなところを一般
に秘境と言うが、そんな辺鄙な地に佇む駅のことだ。



 特別な存在感を見せるこれらの駅は、他人がめったに行かないだけに、人に先ん
じて行ってみたいと思う憧れの存在であろう。

 とはいえ鉄道沿線にあって、列車で行けるのに「秘境駅」と言うのもなんだかおか
しいと思わぬわけでもない。
しかしそこには秘境と言われる様々な事情が秘められている。
 


 秘境駅訪問家の牛島隆信氏はJR全線を乗りつぶし、全国の鉄道駅を巡り、その
秘境度を点数化しランキング形式で1位から200位までの「秘境駅」を発表している。
(http://hp1.cyberstation.ne.jp/hikyoueki/)
 

 
 その基準は、駅の置かれている地勢的な状況のみならず、駅の持つ雰囲気や古
さ、施設の状況・状態、鉄道や道路を使ってのその駅への到達難度などを尺度とし
判断されている。



 したがって鉄道は通っていてもその本数が極めて少なければ、あるいは駅に向か
う取り付け道路がなければ、それだけ駅に到達する難度が高くなり、秘境度も高く
なると言うわけだ。



 ランキングによるとその第一位は北海道・室蘭本線の小幌駅、第二位は静岡県・
大井川鉄道の尾盛駅、第三位が静岡県・飯田線の小和田駅となっている。
どの駅も周囲に人家がなく、駅に向かう道すらない駅である。



 岡山県内では、伯備線の布原が40位、新郷が139位、方谷が197位、そして因美
線では知和が134位にランクインしている。(続)

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