弟がインドから日本へ帰ってきた。3年間の単身赴任は終了し、住民票を移すため加賀の市役所まで戸籍謄本を取りに愛知より来た。
夜、旦那と寿司を持っていくと、父はいつもよりも嬉しそうに笑顔が絶えず、寿司を食べながらほっぺを押さえていた。本当に嬉しくてたまらないようだった。いつもは、わたしの作ったものに、たいがい難癖をつけるのに、この日わたしが作ったポテトサラダを「うまい、うまい」と、言って食べていたのはやはり嬉しかったからに違いない。何を食べても、何を話しても楽しいのだ。久しぶりの長男の帰省だ。
「そういえば、Tが送ってくれたナマコ食べよう」と、父が言う。父の甥であるT兄さんが、送ってきたという冷凍の味付けナマコを、母が出してきた。「美味しいやろ?」と、弟の発言にわたしは不審に思った。「それってTにいさんじゃなくて、〇也が送ってくれたんじゃ・・」。父は甥が送ってきたと思っていたが、実は自分の息子が送ったものだったのに気付かなかった。苗字が同じなので思い込んでしまったのと、差出人の名前が眼鏡なしでは見えないほど小さかったせいではあるが、間違えるとは弟が可哀想。
もし帰省しなかったら、ずっとTにいさんの送ってくれた「ナマコ」だと思っていたに違いない。のどに詰まらせないように、差出人は確認するようにと釘を刺したら「ねえちゃんは怖い」と、弟に訴えていた。
ナマコには注意を。