以前、竹内久美子著で、「浮気人類進化論」を、読んで大変面白かった。その話をしていたら、友人が竹内久美子の本を貸してくれた。「そんなバカな!」という題で、副題が「遺伝子と神について」で、ある。動物行動学者であるらしい。あるらしいというのは、今まで生物学者だとばかり思っていたからだ。どう違うのかは分からない。
ミツバチの話から、シロアリ、猿と話は広がるのだが、とにかく、子孫を残すために、あらゆる生物は、メスの気をひいたり、働いたり、巣を飾ったり、自分を飾ったりと大変な努力をしている。
そして、遺伝子を残していくわけだが、人間はその為だけで男女が仲良くするのではない。というのが、「浮気人類進化論」だった。そして、子孫を残してから子育てに長い時間をかけているのは人間だけだろうと思う。ついでにいうなら、最近は若者の収入は少なくなってきているというので、親が親である時期は延長しているように思う。
生物は、子孫を残したら死ぬが、人間は子を残した後、孫をみて、さらにひ孫まで見ることができる。その後が長い。100歳まで生きるのは、生物学的には驚異であるのでは。
この本の途中から、いつもの竹内節となる。図書館では生物や動物学に分類されるのは解せない。面白いからだ。バラエティという分類はないので仕方がない。内容は虫から動物に始まったのに、いつの間にか人間に対して皮肉なことをずけずけ言う。が、ほんとうにうなづけるのである。種の保存にオスは一夫多妻を望むが、人間はそうはいかない。人間のメスは発情しないので、一夫一婦が保たれるという説明が動物学的に説明される。わたしの思った人間の長生きが、生き続けることの知恵を自分の知らないうちに備えられている気がする。