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まこの時間

毎日の生活の中の小さな癒しと、笑いを求めて。

名曲と珈琲

2015-10-07 | 暮らし

その喫茶店は「名曲と珈琲ぱるてぃーた」という看板の横の階段を下りると左手にドアがあって、そこには「コーヒーだけ」と、貼ってある。食事もケーキもないのだろうか。何だか怪しい雰囲気だ。おそるおそる扉を押すと、クラッシックな雰囲気で、ちょうどあまりにも有名な「白鳥」の曲がかかっていた。客は一人もいない。ちょっと怪しそうな白髪の年配のマスターがカウンターの向こうにいた。扉を開けて覗いているわたしのほうが怪しいおばさんかもしれない。12時に近いのでお昼を食べたかったが、まあ遅い食事でもいいかと席に着いた。

ミシンのテーブルが面白かった。座ると「コーヒーと紅茶がありますが。」と、問われ「コーヒーを、ホットで。」と、緊張して答える。金沢の観光地のど真ん中の、真昼に、人っ子ひとりいない喫茶店も不思議だ。でも、クラッシック音楽とマスターがコーヒー豆を挽く音とが静かな店内に流れて、わたし一人の為に贅沢な空間になった。曲が替わって「子犬のワルツ」。喧騒を避けてという時はいいかも。店にしたら、人のいないのは困るだろうが。

コーヒーを運んできたマスターが声をかけてきて、意外と話好きであることが判明。収集した不思議な置物や絵の説明などをしてくれた。

寂しい時は誰かと話すのがいい。美味しいコーヒーを飲みながら小一時間話した。その間も客は誰も来なかった。食事時だったせいもあるかもしれないが、とにかく不思議な店だった。


CT結果

2015-10-07 | 暮らし

土曜、日曜と金沢で弓を引いていて、月曜も金沢へ行くこととなって疲れるなあと思い電車で行くことにした。たった3日間続けて金沢へ行くことが疲れるなど体力ないなあと思いつつ、殿が40年間金沢の会社へ通っていたことを思うと、さぞかし疲れていたろうと今更ながら思う。

前回、車で金大へ行ったら工事中のため渋滞で、目の前に病院が見えているのに30分ほど動かなかった。今回も病院前は渋滞で公共の交通機関で来たのは正解だった。

半年に1回のCTで異常なしといわれたが、今回の検査で造影剤を入れた時、胸が悪くなった。何回も検査しているが、胸が悪くなったのは初めてだった。看護師に訴えたら、何回も受けるとそういうこともあるらしいとのこと。不自然な造影剤が身体に良いわけはないだろうなと思った。もう検査はしたくないなあと思った。血液検査も、毎回するたびに血管が可哀そうな感じだ。

天気が良いので病院の帰り、行けるところまで歩くことにした。兼六園あたりから、観光客が歩く姿があちこちにみられた。金沢城の横を通ると、殿とここを歩いて21世紀美術館まで行ったことを思い出した。検査結果が異常なしと言われたことに、嬉しさも何もなかった。殿がいなくなって「会いたい」と思う度に、あんまり長生きしたくないなあと思ったりすることがある。生きることの喜びが半分になったきがするからだ。

何かしていないと折れそうになるので、仕事へ行ったり、弓道へ行ったりしながら、悲しさを忙しさで紛らわすが、とぼとぼと歩いているといけない。歩きながら涙が出てくる。途中で、不思議なコーヒー店に寄った。昔、殿と京都へ行った時、こんな風な階段を下りて行く喫茶店があった。何となく惹かれたのと、ずっと兼六園下まで歩いたので休憩がてらに入った。