孫たちが泊りに来た時に、宿題と一緒に本を持ってきた。母親が買ったそうで、kouはもう読んだと言って見せてくれた。漫画の間に文章がある。原作 吉野源三郎、漫画 羽賀翔一。
後で分かったことだが、ベストセラーになっているとか。大人が買って読んでいるらしい。
生きにくい世の中なのだろう、この本が売れるというのは。「子供たちに向けた哲学書であり、道徳の書」と紹介されている。それでも、人間関係で生じる葛藤などは、子どもだけではない。大人になっても、人が生きていく上で必ず起きる。けれど、人が生きるという事は、人の力が必要だという事も最近すごく実感するので、この本はそれを伝えるいい本なのではないかと思う。
いくつになっても悩みはあるし、年を重ねるともっと寂しくなっていく。逞しくなっていくというのは難しい。最近、同期のKさんの奥さんが亡くなったことを知った。Kさんは初老で亡くなり、奥さんは頑張ってふたりの子供を育ててきたが、息子さんを交通事故で亡くして体調、気力とも失ったと聞いた。
殿が亡くなった時に、お悔やみの電話がかかってきた。もしかしてあの時、本当は話したいことがあったのではないかと今頃になって思う。
それにしても、悩んでは忘れて、忘れては悩んで・・という毎日を繰り返し、若い頃会社で悩んでいたとき、いつか年をとったら、こんなことで悩んでいたことを思い出して懐かしがるかもしれないと思ったことがある。
今、そのことを思い出すが、もちろん悩んだ内容など忘れてしまった。何かで悩んでいて、会社を辞めたくて友達に愚痴を言っていたことが懐かしいと思う。内容は忘れたという事は、大した悩みではなかったのだろうか?と思うが、その頃は大変なストレスだったのだ。癌になっちまったくらいだから。でも、忘れるという事は、新しい悩みが発生して昔のことにかまっていられないという事もあるだろうし、本当に忘れる年頃になって救われるという事もあるのかもしれない。
西方浄土には悩みがないのだろうか、殿よ。