今年の1月号の『山と渓谷』が、即売り切れになったので、山と渓谷社が増刊6月号を出した。
先日、このブログにTさんが知らせてくださったので、すぐに手に入れることが出来た。
これは、1月号の付録の「百名山地図」との合本で、内容はすっきり「深田久弥と『日本百名山』」だけの内容で再版されている。
買ってみると、合本の方がいい感じだ。
そして、手に取ってみたら、なんと後ろのところに、大森久雄氏の解説が載っている。
『日本百名山』の編集者である大森氏は、深田久弥に『日本百名山』を、書かせたのだと言えるくらいの方だと思う。
その大森氏の「わが愛する山々」の解説なのだが、改めて読み直すと読みごたえがあって良かった。
さて、この増刊号も瞬く間に売れてしまって、職場の分を注文すると、本屋さんが出版元に問い合わせてくれて、増版され半月以上待たされて今日届いた。
増版増版と、この企画は素晴らしい。1月号を持っている方でも、この増刊6月号はちょっと自慢な内容だ。
大森氏が深田久弥のことを書いてある中に、深田久弥が望んだのは、静けさであった。騒々しく、人が群れる山は敬遠の対象だった。
皮肉なことに、『日本百名山』を書いたことによって、その山々は騒々しい山となったのであはるが。
「山の頂上だけは、安らかに清らかに、そっと残しておきたい。なにも置きたくない。小さな石の祠一つで十分である。(略)その山の名を心に刻んで登ってきた者に、なぜ頂上に山の名が必要だろう。」
「私は山を飛脚的に昇り降りするのを好まない。」
同感である。
夏山の富士山のあの行列の写真を見ると登る気が失せる。
槍ヶ岳の尾根も人が数珠つなぎになっているのを見ると怖い。
押されて落ちそうな写真である。
だからといって、人のいない冬山は恐ろしい。
低い静かな里山もいいなと思う。
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