古い家の解体プロジェクトを解散した。電化製品はすべて処分した。ガラクタは美化センターへ通いつめた。
工務店が隣なので、見積もってもらった。中身が殆どないので、前回見積より大幅安で終了宣言。
残るは、おびただしい量の本の撤去だ。文庫本の殆どはだんなのもの。向田邦子や田邊聖子や詩集はわたしだ。島崎藤村や石垣りんは捨てがたい。娘たちが買いためた「リアル」「ドラゴンヘッド」「黄金のラフ」など、何巻もそろっているというのは、面白かった証拠だろう。捨てる前に、読んでみたら、やばいことになった。はまってしまったのだ。わたしは「ドラゴンヘッド」に、だんなは「黄金のラフ」に。
寝る前の読書は「弓と禅」とか分かったような顔をして枕元に置いてあったが、優先順位が変わってしまった。人は易きに流れるものだ。これは悪書ではないかと思えるほど強烈だ。「スラムダンク」や「バカボンド」は、娘たちとわたしが過去に楽しんでいて、だんなは漫画を読む暇などないと、硬い本ばかり読んでいた。しかし、ここへきて「黄金のラフ」で、笑い寝している。
しかし、問題がひとつ。ドラゴンヘッド全10巻なのに、娘は9巻を2冊買ってあって、肝心の10巻目がない。わたしの遺伝子を確かに受け継いでいる性格だ。
こんな強烈な話の結末が判らないのは困るので、書店やネットで調べたが、10巻だけの購入はできない。全10巻なら買えるが今更買う気にはなれない。9巻まであるのだから。正確に言えば10冊ある。
誰か、10巻目を読ませてください。熱中症になりそうだ。