2002年に刊行された東野圭吾の推理小説。
湖のほとりにある別荘で繰り広げられるミステリー。
難関中学校の受験を控えた4人男子生徒とその家族が、
夏休みを利用して湖畔の別荘で受験のための合宿を行う。
主人公である並木俊介はデザイン事務所を経営しており、
彼の息子は妻・美菜子の連れ子である。自身の子供を作ろうとしたが、
出来なかった。そのせいか息子に対しての愛情は今一つである。
この合宿にも他の家族の手前、仕方なく参加した。
3家族と美菜子と塾の講師が集まり合宿が始まった夕方、
並木俊介は遅れてやって来る。そこへ・・・なんと、
彼の事務所で働いている愛人の英里子がやって来てしまう。
忘れものを届けに来たと言う理由であるが、焦る俊介。
実は俊介は自分の浮気を棚に上げて美菜子の浮気を疑っており、
探偵事務所で勤務経験のある英里子に美菜子の身辺を調査させていた。
その調査結果が判明したと言うのだった。
しかし調査結果を聞く前に英里子は殺されてしまう。
死体を見せられた俊介は美菜子が「自分がやった」と言うので驚く。
英里子が俊介と別れてくれと迫ったので逆上して殺してしまったと。
警察に届けようと言う俊介に、なぜか他の家族が隠ぺいを薦める。
英里子が来た事は他の人は知らないので死体さえ見つからなければ、
殺人があった事はバレない。事件で明るみに出れば俊介が社会的に
ダメージを受ける事を理由に・・・・。
しぶしぶ湖に死体を沈め死体遺棄の共犯となる俊介だが、
なぜこれほどまでに4家族が結束し、事件を隠すのか?
俊介は理由を推理し調べ始める。
最終的に誰が犯人なのかはわからない。あえて言及しない。
追及する事を良しとしないのだ。何故か?
犯人は4家族と塾の講師の中に間違いなくいる。
事件は痴情のもつれではないのか?
英里子は浮気調査の途中で浮気以外の事をつかんでいた。
それを理由に関係者を強請ったのだった。
それが明るみになれば全員が困るので、英里子の死体を隠し、
真実をない事にしようとしたのだった。
しかし犯人は誰なのか?
それをうやむやにする理由は・・・・
2005年に「レイクサイド・マーダーケース」として映画化され、
並木俊介役が役所広司、美菜子役が薬師丸ひろ子、
英里子役が眞野裕子。
なんか・・・最後がスッキリしない感じ。
犯人と動機をハッキリさせない所が。まぁ想像はできるけど。