しかし書いていくうちに東京新聞に同情したくなった。
東京新聞のジレンマである。
この国の悲劇である。
いまや脱原発をもっとも強く訴えているのは東京新聞だ。
だから東京新聞は脱原発に関連する特集記事を頻繁に掲載し、
脱原発を唱える人物をつとめて紹介して世論を喚起しようとしている
ように見える。
そんな東京新聞の姿勢を私は高く評価する。
しかし残念ながら政治の中で脱原発を唱える政治家は河野太郎など
ごく少数だ。
ましてやそれを今後の政治の一大政治課題として掲げる国民的な
政党は存在しない。
ここまで野田、枝野、仙谷民主党政権が原発再稼動を強行している
というのにストップをかけられる政党がでてこない。
そんな中で菅直人前首相が脱原発を選挙の争点にする勉強会を4月
12日に立ち上げた。
だから東京新聞はひとりこの動きを4月13日の紙面でとりあげてエール
を送った。
そして4月15日の紙面ではわざわざ菅直人前首相との単独インタビュー
までしてその記事を大きく掲載し、菅前首相の宣伝をしている。
しかし菅直人に脱原発を唱える資格はない。
彼の周りに集まる連中の選挙で生き残るために集まるという不純な動機
も見え見えだ。
彼らに本物の脱原発を実現できる能力も実力もない。
何よりももはや菅前首相を支持するまともな国民はいない。
脱原発を菅前首相に頼らざるを得ない東京新聞を批判しようとして同情
せざるを得なくなった理由がここにある。
了
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1.それでも野田政権倒閣を言い出さない政治とメディア
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4月28日(土)に【天木×植草リアルタイム時事対談】第4弾リアル
タイム配信が次のように決まりました。
■天木×植草リアルタイム時事対談
http://foomii.com/files/interview/nightlive2012/
●出演:天木直人(元外交官)、植草一秀(政治経済学者)
●配信日時:2012年4月28日(土曜日)
19時00分~20時30分放送予定
今回は判決が下される(4月26日)直後の対談でもあり「小沢
裁判」とは何だったのかについて90分間徹底討論します。
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にお ふたりが直接回答します。
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◎サタデーナイトライブ:日本はどこまで米国に支配されているのか
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(2012/02/27 放送分)