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日本政府は破産しない。なぜなら、投資家には「日本国債を買う理由」があるからだ

2023年04月30日 11時44分19秒 | 社会・経済

 

経済

日本政府は破産しない。なぜなら、投資家には「日本国債を買う理由」があるからだ

幻冬舎ゴールドオンライン 2023年4月30日 9時30分

(※写真はイメージです/PIXTA)

膨張を続ける日本の財政赤字。このままでは日本政府が破綻する――。このような危機感を抱いている人は少なくありません。しかし、心配は無用だといえます。経済評論家の塚崎公義氏が解説します。

破産するか否かは「資金繰りの問題」

日本政府は財政赤字を続けていて、借金が膨れ上がっています。そこで、日本政府がいつかは破産する、と心配している人も多いようです。しかし、筆者は心配していません。理由は多数ありますが、最大の理由は「資金繰りがなんとかなれば、破産することはないから」です。

企業が黒字続きで債務超過に陥らなくても「資金繰り倒産」ということはあり得ますし、反対に、債務超過でも銀行が支えれば危機を乗り越えるまで倒産せずに持ち堪える場合もあるのです。

日本政府の場合は、資金繰りが破綻することはあり得ません。すぐに思いつくのは日銀が紙幣を印刷して借金を返せばいい、ということです。実際にそんなことをしたら超インフレになりかねませんから、これは禁じ手でしょうが。

政府には徴税権がありますから、破産しそうになったら大増税をすればいい、ということも言えますが、これも暴動が起きそうですから、禁じ手ということにしておきましょう。

しかし、禁じ手とはいえ「最後の手段があるから政府は破産しない」ということだけでも、貸し手に安心感を与えることはできるでしょう。貸し手が安心感を持てば、気軽に貸してくれるでしょうから、政府が資金繰りに困る可能性はそれだけでも低下するわけです。そして、実際には投資家たちが日本国債を買う理由があるから日本政府は破産しないのです。投資家にとって日本国債が最も安全な資産だからです。

日本国債は「最も安全な資産」である

投資家にとって、日本政府が破産する可能性はリスクですが、メガバンクに貯金するよりは安心でしょう。現金で保有していると強盗に襲われるリスクがありますし、大きな金庫を買う費用もかかるでしょう。

米国政府が倒産する可能性は低いかも知れませんが、米国債を買うとドル資産を持つことになり、為替リスクを負ってしまいます。ドル安で損をする可能性が出てくるわけです。

したがって、日本人投資家たちは喜んで(消去法的に仕方なく?)日本国債を買うのです。それを見た他の投資家たちは「他の投資家たちが日本国債を買っているから、日本政府は資金繰りに困ることはなく、破産もしないだろう」と考えて更に安心して国債を買うのです。投資家たちが意図せずお互いを励まし合っているわけですね(笑)。

「心配ない。数千年たてば、すべては解決する(笑)」

少子化が続くと、日本人が最後の1人になるでしょう。その人は、家計金融資産2,000兆円を相続するはずです。その人が亡くなると、その金は国庫に入ります。日本政府の借金は1,000兆円しかありませんから、なんの問題もなく借金が返せるわけです。

もちろん、本当に最後の1人になることは考えにくいですが、上記のような可能性を考えると、「日本政府の借金は巨額だからいつか破産するに違いない」と考える根拠が乏しいことがわかります。

じつはもう1つ、「政府の借金は将来世代に増税を強いる世代間不公平だ」という考え方に説得力が乏しい、ということもわかるのですが、この話は別の機会に。

少子高齢化による労働力不足で、増税も容易に

少子高齢化により、労働力不足が今後一層深刻化していくでしょう。しかし、それは悪いことではなく、失業のない時代を迎えるということなのです。いまは、「増税して景気が悪化したら失業者が増えてしまう」という増税反対論者も多いわけですが、10年もするとそういう論者はいなくなるでしょう。増税して景気が悪くなっても失業者が増えない時代になるからです。

もしかすると、労働力不足による賃金上昇でインフレの時代が来るかもしれません。そうなった時に日銀がインフレ抑制のために金利を上げると政府の金利負担が増えますから、政府は「日銀さん、政府が増税で景気を抑えてインフレを止めますから、金利は上げないで下さい」と頼むかもしれません。

そうなれば、増税はインフレ予防策であると同時に財政再建策ということにもなるわけで、一石二鳥の政策となり、頻繁に採用されることになるでしょう。

こうして考えると、日本政府が破産する可能性は小さいように思えます。そうは言っても、ある時突然投資家たちが一斉に日本政府の破産を信じるようになり、日本国債を買わなくなる可能性はあります。そうなれば、国債暴落となり、政府は新しい国債が発行できず、資金繰りに困るかもしれません。

しかし、それでもなんとかなる、と筆者は考えていますが、その話は別の機会に。

今回は、以上です。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密ではない場合があります。ご了承いただければ幸いです。

筆者への取材、講演、原稿等のご相談は「幻冬舎ゴールドオンライン事務局」までお願いします。「幻冬舎ゴールドオンライン」トップページの下にある「お問い合わせ」からご連絡ください。

 

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姿勢が“くの字”の「腰曲がり」は治せる、予防できる 年をとっても遅くはない

2023年04月30日 11時30分03秒 | 健康・病気

姿勢が“くの字”の「腰曲がり」は治せる、予防できる 年をとっても遅くはない

日刊ゲンダイDIGITAL

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姿勢が“くの字”の「腰曲がり」は治せる、予防できる 年をとっても遅くはない
「腰曲がり」にならないためには予防が大切

 姿勢が“くの字”に折れ曲がった「腰曲がり」の高齢者を誰もが目にしたことがあるのではないか。腰が曲がっていると重心が前方に寄ってしまうため歩行困難になり転びやすくなったり、内臓の病気を招くリスクもアップする。家族や自分が苦しまないように治療と予防について知っておきたい。九段坂病院診療部長(整形外科)の大谷和之氏に詳しく聞いた。

 高齢者の腰曲がりは医学的には「脊柱後弯症」と呼ばれ、お辞儀をしたように背中が前に折れた状態が該当する。背骨は頚椎の他に、軽く後ろに曲がっている胸椎と、前に曲がっている腰椎からなるが、胸椎がさらに後弯したり、腰椎が後弯すると腰曲がりが起こる。

 後弯する原因として、姿勢を維持する役割を担う背筋の衰えや猫背姿勢、加齢によって体内の水分量が減り椎間板が潰れることなどが挙げられる。骨粗しょう症による圧迫骨折も大きな原因のひとつだ。

「当院では大勢の後弯症患者さんが受診されていて、男女比は9:1で女性に多い。閉経後に女性ホルモンが減少し、骨粗しょう症を発症させるためだと考えられます」

 骨粗しょう症は、女性ホルモンとの関連性が指摘されている。骨は、古くなった骨を壊す働き(骨吸収)と、新たに骨を作る働き(骨形成)のバランスが常に保たれていることで、硬く丈夫な状態を維持できている。女性ホルモンのひとつであるエストロゲンは骨吸収のスピードを緩やかにするが、閉経するとエストロゲンの分泌量は減少する。その結果、骨吸収が進んで骨密度が減り、骨はもろくなり、背骨が体の重みに耐えられなくなって脊椎は圧迫骨折を起こす。また、脊椎の構造上、後方には関節があるが、前方には支えるものがないため、骨は前方で折れやすく姿勢も前に倒れてしまう。

「後弯症になると、5~10分間以上、直立姿勢を保てなくなります。女性の場合、家事をする機会が多いのですが、直立姿勢を維持できないので立ったまま家事をすることができません。そのため椅子に座りながらこなしたり、キッチンに肘をつきながら料理せざるを得なくなり、肘まで痛めてしまう人が少なくありません。また、背骨の後弯によって胃が圧迫されるので、胃食道逆流症を引き起こすケースも多くみられます」

 歩行障害も軽視できない。腰が曲がっていると重心が前方に寄り、歩いていると徐々に前のめり姿勢になっていく。そうなると、長時間の歩行が難しく、少し歩くたびに立ち止まって姿勢を正さなければならない。前重心では転倒のリスクも高くなり、歩行の際には杖やシルバーカーが必要になる場合も少なくない。

「治療は、背筋を鍛える運動療法と、腰がさらに曲がるのを防ぐコルセット治療(装具療法)が一般的です。また、骨粗しょう症を併発している患者さんが多いので、骨折を防ぐために骨粗しょう症に対する投薬治療も行います」

 これらの保存療法で効果がみられず、胃食道逆流症がひどい人は手術の適応になる。家事や仕事などの日常生活に大きく支障を来し、本人が手術を希望する場合も実施されるという。

「当院では、年間100人近くが後弯矯正手術を受けています。以前は合併症のリスクが高い70代後半以上の患者さんには手術ができませんでした。しかし、医療技術の進歩や体力がある元気な高齢者が増えたことで、合併症を心配せずに安全に手術が行えるようになりました。手術件数は10年前と比較して2~3倍に増加しています。最近では80代前半で手術を受ける患者さんもいらっしゃいます」

 手術によって姿勢が正されると、胃食道逆流症を発症していた人でも手術後には症状が落ち着くという。高齢だからとあきらめずに、悩んでいる人は検討してみる価値はある。

■猫背の人は要注意

 まだ、腰曲がりになっていない人は予防が大切だ。

「まずは日頃から猫背のような背中を丸めた前かがみの姿勢を取らないようにしましょう。また、背筋が衰えないように若いうちから定期的に腰を後方に伸ばすよう心がけてください。60代になったら骨密度を測って骨粗しょう症になっていないか確認し、すでに発症していれば早めに治療を開始することが重要です」

 日常的に猫背などの前かがみの姿勢をとる習慣があると、背筋の緊張状態が続き血行障害を起こす。すると酸素が筋肉へ十分に行き渡らず、背筋は硬くなって姿勢が悪くなり筋肉が萎縮してしまう。日頃から猫背になっていないか意識し、姿勢を正したい。

 また、腰曲がりが気になり始めた人も、うつぶせで横になって腰を伸ばしたり、椅子に座った状態で腰を後ろに反らすと、さらなる後弯を防げるという。

「ただし、腰を反らした際に足がしびれたら脊柱管狭窄症を合併している可能性もあります。足に違和感を感じたら、早期に整形外科を受診してください」

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