立憲民主党内で、代表選(23日投開票)に立候補した各陣営間で推薦人を融通したと推測させるような発言が相次ぎ、波紋が広がっている。党内では、多数の候補を出馬させて代表選を盛り上げるための「裏工作」と受け取られかねないとの懸念も出ている。
同党の玄葉光一郎・元外相は代表選告示日の7日、自身のフェイスブックで「政権交代を見据え、総理に必要な胆力、見識、人間性を備えた野田元首相を支持する」と野田佳彦・元首相(67)の支持を明言。ところが、同じ投稿で「女性、若手による幅広い論戦をしなければならない」とも記し、玄葉氏は吉田晴美衆院議員(52)の推薦人に名前を連ねた。同じく吉田氏の推薦人となった谷田川元衆院議員も野田氏を支える党内グループ「花斉会」に所属しており、2日には自身のX(旧ツイッター)で「全力で(野田氏を)支援することを約束した」としていた。
泉健太代表(50)の推薦人を巡っては、逢坂誠二代表代行が7日、自身のホームページで泉氏の出馬に向け「推薦人確保の取り組みを進めていた」と明かす一方、「人間中心の経済の実現を訴えている」として、枝野幸男・前代表(60)を支持することを強調した。
吉田氏や泉氏は、いずれも推薦人集めに苦戦していた。党内では告示前、「野田、枝野両氏のみの選挙戦となれば盛り上がりに欠ける」との懸念が出ており、吉田氏や泉氏が出馬できるよう、他候補を支援する議員が力を貸した形だ。
こうした推薦人の「貸し借り」は、自民党総裁選でも、決選投票での連携などを見越して行われることがあるとされるが、当事者が公言するのは異例だ。岡田幹事長は10日の記者会見で、「推薦人になるのは重いことだ。そういうことを踏まえて(支持を)判断してもらいたい」とクギを刺した。