兵庫県の斎藤元彦知事が昨年11月、秘書課を通じて県警に運転免許更新の便宜を図るよう依頼し、公用車で会場に行って受付時間前に個別で手続きを済ませていたことがわかった。斎藤知事は27日、県庁で記者団に対し、事実関係を認め「自分のことなので休暇を取って行くべきだった。反省している」と述べた。

 県関係者によると、県議会の百条委員会が実施した職員アンケートで、「開庁時間の前に特別に窓口を開けるよう指示され、時間外に対応したそうです」との記述があった。

 斎藤知事や秘書課によると、昨年11月、同課経由で県警に「公務が多忙で、スムーズに対応してほしい」と要望。県警側が受け入れ、斎藤知事は同28日朝、公用車で県庁近くの神戸更新センターを訪れ、一般の受け付けが始まる10分前に手続きを済ませ、約30分間の講習を1人で受けたという。

 免許更新について県警は「混乱を避けるため、著名人の場合、特別に対応することがある。今回も混乱する可能性があるので認めた」としている。

 大阪府や京都府は取材に対し、「知事の免許更新を秘書課が取り次ぐことはない」としている。

 パワハラなどの疑惑を巡って県議会から不信任決議を受けた斎藤知事は26日、自動失職して出直し知事選に出馬する意向を表明。30日の失職を前に、27日が最後の登庁となった。