前回に引き続いてヴォーカルものです。ジャズボーカルと言えば昔も今も女性ヴォーカルが圧倒的に多く、私が所有する男性ヴォーカルもシナトラ、ナット・キング・コール、ジョニー・ハートマンそしてこのメル・トーメぐらいのものです。中ではトーメのボーカルが一番好きですね。有名なヴァーヴ盤「シューバート・アレイ」とベツレヘム盤「シングス・フレッド・アステア」の2枚を持っていますが、本日紹介する1962年発表のアトランティック盤も異色の出来でなかなか興味深い1枚です。このアルバムの何が異色かと言うと、いわゆる定番スタンダード曲がほぼ皆無で後はビバップ以降のジャズメンのオリジナル中心ということ。しかもファンキーな楽曲が中心なので、洒落たアレンジで小粋なボーカルを聴かせる普段のトーメのイメージとは随分違います。

曲は全12曲。タイトル曲の“Comin' Home Baby”とラストの“Right Now”はハービー・マンのヒット・チューンで女声コーラスも入ったポップス風の作り。残りは西海岸の名トランペッター、ショーティ・ロジャース率いる10人編成の小型ビッグバンドがバックを務めており、私は後者の方が断然好きですね。曲はハードバップ好きなら誰もが知っている名曲ばかりで、ボビー・ティモンズ作曲の“Dat Dere”“Moanin'”、ランディ・ウェストン“Hi-Fly”、マイルスの演奏で有名な“Walkin'”、ベニー・ゴルソン“Whisper Not”などのファンキーチューンをトーメがいつものベルベット・ボイスで歌い上げます。黒人ジャズメンの曲が多いせいか、白人のトーメのボーカルも心なしか黒っぽく聞こえるのが不思議です。

曲は全12曲。タイトル曲の“Comin' Home Baby”とラストの“Right Now”はハービー・マンのヒット・チューンで女声コーラスも入ったポップス風の作り。残りは西海岸の名トランペッター、ショーティ・ロジャース率いる10人編成の小型ビッグバンドがバックを務めており、私は後者の方が断然好きですね。曲はハードバップ好きなら誰もが知っている名曲ばかりで、ボビー・ティモンズ作曲の“Dat Dere”“Moanin'”、ランディ・ウェストン“Hi-Fly”、マイルスの演奏で有名な“Walkin'”、ベニー・ゴルソン“Whisper Not”などのファンキーチューンをトーメがいつものベルベット・ボイスで歌い上げます。黒人ジャズメンの曲が多いせいか、白人のトーメのボーカルも心なしか黒っぽく聞こえるのが不思議です。