ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

スライド・ハンプトン/ジャズ・ウィズ・ア・ツイスト

2012-09-21 23:40:35 | ジャズ(ビッグバンド)

しばらくボーカルが続きましたが、再びインストゥルメンタルに戻ります。本日紹介するのはトロンボーン奏者スライド・ハンプトンの「ジャズ・ウィズ・ア・ツイスト」です。ハンプトンは以前にも「シスター・サルヴェイション」を取り上げましたが、本作はその翌年1961年に録音された作品です。前作同様10人編成の小型ビッグバンドで、メンバーはリーダーのハンプトンに加えベニー・ジェイコブス=エル(トロンボーン)、ウィリー・トーマス&ホバート・ドットソン(トランペット)、ジョージ・コールマン(テナー)、ジェイ・キャメロン(バリトン)、ホレス・パーラン(ピアノ)、エディ・カーン(ベース)、ヴィニー・ルッジェーロ(ドラム)、レイ・バレト(コンガ)となっています。メンバー的にはコールマン、ホレス・パーランを除けば無名揃いで、フレディ・ハバードの参加していた前作より劣るような気がしますが、内容的にはこちらの方が断然お薦めです。



ハンプトンは名前通りスライド・トロンボーンの名手ですが、本作ではソロを取るのは9曲中4曲のみで、もっぱらアレンジャーに徹しています。その手腕は素晴らしく、6本の管楽器から成るゴージャスなホーンアンサンブルとコンガも加えたリズムセクションに各人のソロを見事に融合させたモダンなアレンジには脱帽です。ソロイストは曲ごとに変わりますが特にジョージ・コールマンのテナーが素晴らしく、“The Jazz Twist”“Gorgeous George”は彼のショウケースと言ってもいいナンバー。ジェイ・キャメロンのバリトンをフィーチャーした“Strollin'”、ハンプトンのトロンボーン奏者としての面目躍如の“Slide Slid”“Day In Day Out”、コンガの奏でる野性的なリズムをバックにコールマン→ハンプトン→トーマスが情熱的なソロを受け渡す“The Barbarians”も素晴らしいです。そしてラストの“Red Top”ではコールマン→ジェイコブス=エル→トーマスのソロの後を壮大なホーンアンサンブルが締めくくります。マンガのようなイラストとマイナーなメンツに正直購入意欲の湧かない作品でしたが、内容は文句なしの名盤です。是非騙されたと思って買ってみてください!

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