ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

ミルト・ジャクソン&コールマン・ホーキンス/ビーン・バグス

2012-09-30 12:19:20 | ジャズ(ハードバップ)

本日はアトランティックの名盤コレクションから1958年に発表されたミルト・ジャクソンとコールマン・ホーキンスの双頭リーダー作「ビーン・バグス」を紹介します。文字通り豆の詰まった袋(bean bag)が写されたジャケットがユニークですね。“バグス”がミルト・ジャクソンの愛称と言うのはジャズファンなら周知の事実でしょう。名曲“Bags' Groove”をはじめ、コルトレーンとは「バグス&トレーン」、ウェス・モンゴメリーとは「バグス・ミーツ・ウェス」など共演作も多く残しています。ただ、コールマン・ホーキンスが“ビーン”と呼ばれるのは初耳です。てっきり“ホーク”だと思ってましたが・・・



まあ、名前の件はさておき、このアルバムはメンバーが豪華ですね。ヴァイブの第一人者であるミルトと、ビバップ以前から活躍するテナーの重鎮ホーキンスに加え、脇を固めるケニー・バレル(ギター)、トミー・フラナガン(ピアノ)、エディ・ジョーンズ(ベース)、コニー・ケイ(ドラム)といずれ劣らぬ名手揃い。特にバレルとフラナガンは個人的にフェイバリットミュージシャンの一人なので、彼らの名前を見ただけで期待に胸が高鳴ると言うものです。

内容ですがホーキンス、ミルト、バレルとブルージーなプレイを得意とするメンバーが揃っているだけに、“Close Your Eyes”“Sandra's Blues”などのスローなブルースの解釈は見事なものがあります。一方で“Stuffy”“Get Happy”などアップテンポなナンバーになると、ホーキンスのテナーがやや野暮ったく聴こえるのは否めません。他のメンバーは絶好調なので、ここら辺は世代の違いかそれともスタイルの違いか?ただ、バラードの“Don't Take Your Love From Me”での貫禄たっぷりのテナーソロはホーキンスならでは。ミルトの華麗なマレット捌きもロマンチックなムードを盛り上げます。全体的にこれぞ名盤!と言うべき内容ではありませんが、豪華メンバーの共演だけあって聴き逃すには惜しい作品であることは間違いありません。

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