本日もヴォーカルもので、アトランティックの名盤コレクションからラリーン・ハンター「ブルー&センチメンタル」を取り上げます。ラリーン・ハンターと言ってもほとんどのジャズファンは馴染みがないでしょうが、主にシカゴで活躍した黒人シンガーらしいです。本作は1960年の録音で、西海岸の名アレンジャーであるジミー・ジュフリーが率いる7人編成のコンボが伴奏を務めています。メンバーの中にはハリー・“スイーツ”・エディソン(トランペット)やジム・ホール(ギター)、ジミー・ジョーンズ(ピアノ)の名前も見えますが、彼らがソロを取る場面はあまりなく、あくまでラリーンの歌声を引き立てる脇役に徹しています。
肝心のラリーンのボーカルですが、これはもう素晴らしいとしか言いようがないですね。サラ・ヴォーンを少し低くしたようなふくよかな歌声で、声域の広さといいアドリブの巧みさといい文句なしです。こんなに上手いシンガーでも結局メジャーになれなかったという所にアメリカのジャズの奥深さを感じずにはおれません。全部で11曲ありますが、全般的にミディアムからスローな曲が中心。スインギーな“My Kinda Love”、オールドファッションなベイシーナンバー“Blue & Sentimental”もお薦めですが、何と言っても抜群なのは感情豊かに歌い上げるバラード。“Crazy He Calls Me”“Then I'll Be Tired Of You”“Fool That I Am”“We'll Be Together Again”といずれ劣らぬ名唱揃いです。あえてケチをつけるとすれば録音状態がやや悪いぐらいですが、それを差し引いてもヴォーカルファンを満足させること間違いなしの隠れ名盤です。
肝心のラリーンのボーカルですが、これはもう素晴らしいとしか言いようがないですね。サラ・ヴォーンを少し低くしたようなふくよかな歌声で、声域の広さといいアドリブの巧みさといい文句なしです。こんなに上手いシンガーでも結局メジャーになれなかったという所にアメリカのジャズの奥深さを感じずにはおれません。全部で11曲ありますが、全般的にミディアムからスローな曲が中心。スインギーな“My Kinda Love”、オールドファッションなベイシーナンバー“Blue & Sentimental”もお薦めですが、何と言っても抜群なのは感情豊かに歌い上げるバラード。“Crazy He Calls Me”“Then I'll Be Tired Of You”“Fool That I Am”“We'll Be Together Again”といずれ劣らぬ名唱揃いです。あえてケチをつけるとすれば録音状態がやや悪いぐらいですが、それを差し引いてもヴォーカルファンを満足させること間違いなしの隠れ名盤です。