広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

雄物川河口2

2009-03-10 20:52:27 | 秋田の季節・風景
意外にあっさりと割山地区側の雄物川河口にたどり着いた前回の続きです。

雄物川河口の砂浜(砂山? 砂丘?)に立ち、今来た道を振り返る。
砂から風車が生えているみたい

上流方向(東)
漁船が引き上げていった。雄物大橋の下に雄物新橋が、その向こうに秋田大橋が重なってかすかに見える。

正面(南)
対岸に渡って行けそうな気がしてしまうが、おそらくかなり水深がある。きらきら光る川面の向こうに大森山。テレビ塔と動物園の遊園地の観覧車が見える。
ここだけ砂が堆積し川幅が狭まってくびれているのが分かっていただけるだろうか。さらに数十年経てばどうなるだろう? 砂をどける工事なんかが行われるのだろうか。

少し右(西)を向いて河口
対岸が「ももさだ海岸」こと新屋浜。雄物川放水路(前回の記事で説明してます)ができる以前は海水浴場で秋田市から近いので賑わったようだ。現在は遊泳禁止。急深で危険らしい。

足元(奥は雄物大橋)
多少ごみが流れ着き、枯れ草も転がるが、砂浜には風紋が! 初めて見た。
足跡がいくつかあり、今も遠くをおじさんが1人歩いている。誰も寄り付かない浜なわけではなく、結構親しまれている場所のようだ。

高さは低いが砂丘状になっていて、この場所からは海が見えないので、登る。
すると、急に潮の香りがして、「ざばーん」と波の音も聞こえた。今までは「川」でここからが「海」なんだと実感。
北方向
新屋浜側は波はなく、水の色も川と違わないが、北の方の海は波が高く、色も心なしか違う。地形的な影響だろうか。
右側に土崎のポートタワー「セリオン」、向浜や飯島の秋田港周辺の工業地帯、秋田火力発電所が見える。霞んでいなければ左には男鹿半島が見えるだろう。

なかなかいい景色で気に入った。「秋田砂丘」なんて名づけたいくらい。(そういえば鳥取砂丘に行ってみたい・・・)
70年前に放水路ができる以前は、ここは一面砂浜だったはず。完全に自然な河口に見えてしまうこの風景が人工のものだとは思えない。
考えてみれば、護岸で固められた運河とか港でない大きな川の河口を間近で見るのは、生まれて初めてかもしれない。

来た道を引き返し、国道7号の雄物大橋の下をくぐる。雄物新橋へ向かう川沿いの道から分岐して、国道の歩道のさらに上の小高い丘への階段があった。
けっこう高くて橋が見下ろせる
上はベンチなどのある公園が整備され、眺めがいい。
正面。河口と風車。この間を歩いてきた。
秋田市らしく幾分風が吹いてきて、ゆっくり回り始めた風車もある。
右(北)。不思議な風景。昔の秋田空港の滑走路がこの辺かな?
この道路のすぐ右が交差点で、左折で向浜のスケート場方面、直進が臨海大橋・市内、右折が運転免許センターや住宅地。
河口へズーム。砂が堆積した「くびれ」が分かる。


国道はトラックの通行量が多い。数分間に木材を積んだトラックが2台も通る。向浜の製材工場へ運ばれる秋田杉だろうか。

そろそろ街へ戻ろう。
海と反対側はこうなっている。
右の松林の中の道は、スタート地点の雄物新橋の堤防へ下りて行くようだ。左のお寺の裏へ行くと、墓地の中を通って、境内へ出てしまった。

ところでここは、雄物川放水路の完成によって、放水路と秋田運河(旧雄物川)に挟まれて独立した“島”状になってしまった。住所としては対岸と同じく「新屋」で、住居表示も「新屋○○町」となっている。しかし、秋田市民が一般に「新屋」といえばここを除いた対岸だけを指すと思う(このブログでは無意識にそうしてきた)。
ではこの島は何と呼ぶかというと、「割山」とか「勝平」と言う。実際にはこの島の「新屋勝平町」「新屋割山町」という町名の1つに過ぎないのだが(昔はもっと広かったのかもしれない)、この辺一帯を指すことが多い。例えば新屋南浜町にある秋田県運転免許センターを「割山の免許センター」と言うし、勝平や割山の名を冠した銀行の支店、郵便局、幼稚園、保育園は近くだが勝平町や割山町にはないものが多い。秋田市立の勝平小学校、勝平中学校ですら勝平町にはない。

失礼して境内を通り抜けさせてもらった。
お寺はその名も「勝平寺」。
おそらく「勝平町」の出典となったのだと思うが、現在の所在地名は新屋南浜町。

お寺の前は住宅街。風車が見える町。
運転免許センターの横に出た。道幅は狭いが「勝平通り」と名付けられたバス通り。秋田駅からの路線バス「川尻・割山線」は免許センター前の次「南浜町」が終点。住宅地の路上の停留所で客を降ろし、少し先の旧空港付近の回転地で時間調整をして折り返すシステム。
バス停の読みは「みなみはまちょう」。
ところが、
住居表示は「あらやみなみはままち」。
秋田市(でなくても?)の地名は「ちょう」か「まち」か判断に迷うものが多いが、僕はバス停の方のずっと「ちょう」だと思っていた。ちなみにこれは秋田中央交通が間違えたのではなく、かつての秋田市交通局時代からのもの。バス停のフォントが交通局のものだし、実際の市営バス時代の車内放送でも「ちょう」と言っていた記憶がある。まあ、移管を機に訂正するという手段もあったわけですが・・・

天気も風景もよく、気持ちのいい散歩だった。

公共交通機関では、川尻割山線の商業高校経由で勝平2丁目~南浜町、船場町経由で船場町~南浜町の間のいずれかの停留所下車(船場町が雄物新橋最寄、南浜町が河口最寄、他の停留所からも住宅地を抜けて堤防へ出られる)または新屋西線の消防勝平出張所前下車で目の前が雄物新橋の上の堤防。
コメント (4)
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