前も少し書いたけれど「駅弁」の定義には諸説あり、特に近年は遠隔地へ輸送される駅弁や空弁の登場により、一層あいまいになっている。
現在、奥羽本線弘前駅には駅弁がないことになっているはずだが、実際には、狭い待合室内のさらに狭いキヨスクのレジ横に、青森駅の駅弁と地元料亭製のおにぎりがわずかに並んでいる。
10年以上前は、確か東北地方で広く展開する「伯養軒」が駅弁を売っていたが、駅舎改築と前後して撤退したはず。その後一時地元料亭のなかなかおいしい駅弁“らしきもの”が売られていたこともあったが、今は同社はおにぎりだけ。一方で倒産した伯養軒を引き継いだ「ウェルネス伯養軒」(トンカツのさぼてんの会社の傘下らしい)の青森支店製造の青森駅弁が売られることになり、いちおう2社共存のようだ。
秋田市のスーパー(先日閉店したスーパーランドヤマト)で、2月末に駅弁フェア(というほどでもないが)が行われ、見慣れない「弘前駅弁」があったので買ってみた。
「弘前の春 桜子」1050円
「期間限定販売 桜の季節のお花見弁当」という長いサブタイトルとともに、製造元を見てびっくり。「吉田屋」という八戸の業者だ。三味線をイメージした包装のロングセラー「八戸小唄寿司」や鉄腕ダッシュでTOKIOが絶賛したという「いわし蒲焼風弁当」など、海産物系の八戸駅弁としては有名なお店。
ネットで調べると、少なくとも昨年の東京の駅弁大会では売られていたようだ。
個人的にはこういう駅弁の売り方は好きじゃない。普段から弘前駅でこの業者が駅弁を売っているのならいいが、僕は一度も見たことがない。
それに東京の人は八戸も弘前も関係なく「遠くの青森の駅弁だから」と買ってしまう(しまわせる)のだろうが、青森県の東西(南部と津軽)のライバル関係にあるような街同士で、片方の街の業者がもう一方の街の名を冠した商品を売ってしまうのはどうなんだろう。ともかく食べてみる。

桜子さんが弘前にお花見の一人旅をしたという設定らしい。ということは桜子さんは八戸の人か?
カニやエビのちらし寿司とおかずの弁当。ごはんもおかずもピンクっぽい。淡い色できれいなではあるけど、おかずの色合いは地味。
タケノコや菜の花、そして桜の塩漬けと春らしい素材。
ホタテが入っているのはこの製造元らしいけど、食材と津軽や弘前との関連性が感じられない。「弘前」を謳うなら月並みだけどリンゴの甘煮でも入れればいいのに。
【3月23日追記】ネットで検索すると「リンゴ酢の酢飯を使用している」という複数の情報があった。でも今回食べた商品にはそのような記載はなかったと思うし、原材料表記のそれらしき物は「酢飯」「醸造酢」「りんご由来原材料を含む」だけで、分からない。リンゴ酢を使うのをやめてしまったのか、使っているのに表示していないだけ(法律上は問題ないだろうが)なのかだろうが。

味は悪くはない、というかおいしい。でも女性向けなのかもしれないが、値段に対して量が少ないので、申し訳ないがまた買いたいとはちょっと思えない。というか買いたくても弘前で売ってないし、どこで買えるんだ?
近い将来の東北新幹線新青森開業に向けて、正真正銘弘前製の駅弁が出てくれないかな、と思ってしまう。
【12月21日追記】新青森開業を1年後に控え、弘前駅舎改築5周年を迎えた2009年12月から、地元仕出し店が「ばっちゃ御膳」という駅弁を平日10個、土日祝日20個の限定で通年販売を開始した。
現在、奥羽本線弘前駅には駅弁がないことになっているはずだが、実際には、狭い待合室内のさらに狭いキヨスクのレジ横に、青森駅の駅弁と地元料亭製のおにぎりがわずかに並んでいる。
10年以上前は、確か東北地方で広く展開する「伯養軒」が駅弁を売っていたが、駅舎改築と前後して撤退したはず。その後一時地元料亭のなかなかおいしい駅弁“らしきもの”が売られていたこともあったが、今は同社はおにぎりだけ。一方で倒産した伯養軒を引き継いだ「ウェルネス伯養軒」(トンカツのさぼてんの会社の傘下らしい)の青森支店製造の青森駅弁が売られることになり、いちおう2社共存のようだ。
秋田市のスーパー(先日閉店したスーパーランドヤマト)で、2月末に駅弁フェア(というほどでもないが)が行われ、見慣れない「弘前駅弁」があったので買ってみた。

「期間限定販売 桜の季節のお花見弁当」という長いサブタイトルとともに、製造元を見てびっくり。「吉田屋」という八戸の業者だ。三味線をイメージした包装のロングセラー「八戸小唄寿司」や鉄腕ダッシュでTOKIOが絶賛したという「いわし蒲焼風弁当」など、海産物系の八戸駅弁としては有名なお店。
ネットで調べると、少なくとも昨年の東京の駅弁大会では売られていたようだ。
個人的にはこういう駅弁の売り方は好きじゃない。普段から弘前駅でこの業者が駅弁を売っているのならいいが、僕は一度も見たことがない。
それに東京の人は八戸も弘前も関係なく「遠くの青森の駅弁だから」と買ってしまう(しまわせる)のだろうが、青森県の東西(南部と津軽)のライバル関係にあるような街同士で、片方の街の業者がもう一方の街の名を冠した商品を売ってしまうのはどうなんだろう。ともかく食べてみる。

桜子さんが弘前にお花見の一人旅をしたという設定らしい。ということは桜子さんは八戸の人か?
カニやエビのちらし寿司とおかずの弁当。ごはんもおかずもピンクっぽい。淡い色できれいなではあるけど、おかずの色合いは地味。
タケノコや菜の花、そして桜の塩漬けと春らしい素材。
ホタテが入っているのはこの製造元らしいけど、食材と津軽や弘前との関連性が感じられない。「弘前」を謳うなら月並みだけどリンゴの甘煮でも入れればいいのに。
【3月23日追記】ネットで検索すると「リンゴ酢の酢飯を使用している」という複数の情報があった。でも今回食べた商品にはそのような記載はなかったと思うし、原材料表記のそれらしき物は「酢飯」「醸造酢」「りんご由来原材料を含む」だけで、分からない。リンゴ酢を使うのをやめてしまったのか、使っているのに表示していないだけ(法律上は問題ないだろうが)なのかだろうが。

味は悪くはない、というかおいしい。でも女性向けなのかもしれないが、値段に対して量が少ないので、申し訳ないがまた買いたいとはちょっと思えない。というか買いたくても弘前で売ってないし、どこで買えるんだ?
近い将来の東北新幹線新青森開業に向けて、正真正銘弘前製の駅弁が出てくれないかな、と思ってしまう。
【12月21日追記】新青森開業を1年後に控え、弘前駅舎改築5周年を迎えた2009年12月から、地元仕出し店が「ばっちゃ御膳」という駅弁を平日10個、土日祝日20個の限定で通年販売を開始した。